photo: Akemi Yoshihara styling: Yuki Mayama(MO) hair&make-up: CHIHARU text: Noriko Ueno

柚希礼音《プロフェッショナルの肖像「PRO-FILE」》


限界のエネルギーが生む感動の舞台に、再挑戦

 2017年の日本初演が絶賛を浴びたミュージカル『ビリー・エリオット』。英国の炭鉱町を舞台にダンサーを目指す一人の少年とその周囲の大人たちの懸命な生き方を描いた名作が、この9月に再登場する。「再演はよりハードルが高い。初演とは違う部分もありつつ、絶対に変えてはいけないところも大切にしてやっていきたいです」と意気込むのは、初演で型破りなバレエ教師、ウィルキンソン先生を魅力十分に演じ、高い評価を得た柚希礼音。ファン待望の、同役への再挑戦だ。

 「人生夢も希望もない(笑)みたいに過ごしていたウィルキンソン先生ですが、ビリー少年と出会い、この炭鉱町に彼を埋もれさせてはいけない!という愛情が生まれます。でも彼女って愛情をうまく表すことができない人。きっと過去に何かがあって、裏切られたくないから愛情を示せないんでしょう。自分の人生に何が起こったらウィルキンソン先生のようになっていたのかを想像し、より血の通った、より自分自身を投影したウィルキンソン先生になれればと思っています」

 すべての場面が重要で「完璧なミュージカル」と太鼓判を押し、いちばんの見どころを力説する。

 「毎回ぞくぞくするのは、二幕のオーディションシーンで、ビリーが『あなたにとって踊りとは?』と聞かれた後です。とことん踊った後にもうひと歌いさせるの?誰が考えたの!?って(笑)。でも私も宝塚時代、限界の限界の限界を迎えたときに出てくるエネルギーがあった。そこにお客様を感動させる何かがあるんですよね」

 限界の先にある希望、それはいまこそ我々が感じ取りたいものかもしれない。エルトン・ジョンの音楽に乗せて精鋭キャスト&スタッフが届けるそのパワー、ぜひ劇場で体感したい。

 「子供たち以上に大人たちが葛藤し、成長していくストーリー。自分も頑張ろう!という活力と勇気を持って、劇場を後にしてくれたら嬉しいです」

 

ゆずき れおん

2015年に宝塚歌劇団退団したのち、数々の舞台で主演を務める。今年5月、柚希礼音の呼びかけで元宝塚トップスター19人が集結したYouTube動画配信が大きな注目を集めた。2021年1月には日比谷・シアタークリエにて上演予定のミュージカル『IF/THEN』に主演。


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Daiwa House presents

ミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』

9月11日(金)~10月17日(土)、
TBS赤坂ACTシアターで上演。





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