月経前になると調子が悪くなる女性は多いもの。生活に支障をきたすようなら、医師に相談しよう。月経前の不調と上手につきあって、パフォーマンスアップを!
Q1.月経前の不調は、誰にでも起きるの?
月経前には多かれ少なかれ、誰でも、頭痛や腹痛、倦怠感、不眠などの体の不調や、イライラや気分の落ち込みなどのメンタル的な不調が起きるものです。そうした月経前の不調を、月経前症候群(PMS)と呼んでいます。PMSの症状は、月経がくるとなくなります。20代から発症し、30代で症状が重くなることが多いようです。PMSの発症頻度は、月経のある女性の40パーセント程度といわれていますが、軽い症状も含めると、もっと多いと思われます。
Q2.PMSの原因はなに?
PMSは、排卵のリズムに伴うホルモンの変化によって起きると考えられています。女性の体のなかでは、およそ1カ月に一度、妊娠の準備が行われます。卵巣から卵子が排出(排卵)されると、子宮内膜が厚くなり受精卵が育てられ、受精しなければ子宮内膜が排出(月経)されます。排卵から月経が始まるまでは、黄体ホルモン(プロゲステロン)が大量に分泌されますが、それが月経前に急激に減ることで、PMSが起きるのです。
Q3.病院に行くタイミングは?
日常生活に支障があるほど症状がひどいようなら、医師に相談を。日本におけるPMSの認知度は低く、症状が一人ひとり異なるため、診断や治療方法の確立が難しいのが現状です。近年では、女性のライフステージによるホルモンの変化やメンタルヘルスの研究に取り組む日本女性医学学会に所属し、PMSの治療に積極的に取り組む医師も出てきています。そうしたなかから、自分と相性のよさそうな医師を探してみるといいでしょう。
Q4.どうやって治療するの?
頭痛や腹痛には痛み止めを、不眠には睡眠導入剤を、メンタル的な問題には時期を限定して抗うつ剤をというように、対症療法がメインになります。漢方薬では、女性特有の症状への三大処方薬のひとつ、加味逍遙散(かみしょうようさん)を用います。出産予定がなければ、低用量ピルを処方することも検討します。ピルで黄体ホルモンの分泌をコントロールすれば、生活の質が格段に上がります。ピルはメリットとデメリットを確認し、生活に合わせて上手に取り入れるといいと思います。
Q5.症状を軽くする方法はある?
まず基本的な生活習慣を整えること。そして可能であれば基礎体温を記録して月経周期を把握し、PMSの症状をメモすることをおすすめします。そうすることで月経前に睡眠を十分にとって症状を軽減させたり、症状が出る時期に重要な用事を避けるといった対策がとりやすくなります。PMSには、月経時に強い痛みをともなう月経困難症や、精神疾患である月経前不快気分障害などが関わっていることもあります。PMSの症状を健康のバロメーターととらえれば、そうした病気や、ほかの大きな病気の発見や予防にもつながります。
監修:大石元先生
国立国際医療研究センター
産婦人科診療科長