子どもの病気というイメージが強い「中耳炎」。しかし、大人も気づかないうちに発症する可能性が。意外にも、鼻がつまりやすい人は注意が必要!?
Q3.中耳炎にはどんな種類がありますか?
大きく分けると、突発的になる「急性中耳炎」と、炎症が悪化して鼓膜に穴があく「慢性中耳炎」に分類されます。代表的なものは急性中耳炎ですが、中耳炎の症状が長く続いたり、何度も繰り返されたりする人は、慢性中耳炎になっているかもしれません。また、「滲出性(しんしゅつせい)中耳炎」「航空性中耳炎」「好酸球性(こうさんきゅうせい)中耳炎」「真珠腫性(しんじゅしゅせい)中耳炎」「癒着性中耳炎」など、原因や症状によってさまざまな種類があり、それぞれに応じた治療法を選択していきます。
Q4.治療法はどんなものがありますか?
病院では、耳の中を見て炎症をチェックし、必要に応じて聴力検査やCT検査を行います。急性中耳炎は、抗生剤で炎症を抑えながら、原因である鼻の不調も治療します。炎症は、抗生剤を飲めば1週間程度で治るケースが多いでしょう。慢性中耳炎などの場合は、症状に応じて手術をしたり、補聴器で聴力を補ったりすることもあります。初期の中耳炎であれば、身体に負担が少なく、手術した跡が表面には見えない「内視鏡下手術」も可能。医師と相談のうえ、早めに適切な治療を受けるのがベストです。
Q5.日常的にできる対策は?
鼻の不調が中耳炎を引き起こすため、日常的に鼻の中を清潔に保つことが、中耳炎の対策や予防に効果的です。鼻をすする癖がある人は、その癖をできるだけ控え、こまめに鼻をかんでください。ただし、鼻を強くかむと鼻に負担がかかり、中耳炎を引き起こす恐れがあるので、あまり強くかみすぎないようにしましょう。また、細菌などの異物や、たまった鼻水を洗い流せる鼻うがいは、正しい方法で行えば、中耳炎の予防につながります。
監修:神崎 晶 先生
慶応義塾大学医学部・慶応義塾大学病院
耳鼻咽喉科 専任講師
日本耳鼻咽喉科学会専門医
http://www.hosp.keio.ac.jp/annai/shinryo/otorhino