子どもの病気というイメージが強い「中耳炎」。しかし、大人も気づかないうちに発症する可能性が。意外にも、鼻がつまりやすい人は注意が必要!?
Q1.中耳炎とはどのような病気ですか?
中耳炎は、外耳、中耳、内耳と分かれた3つの区画のうち、中耳の部分が炎症を起こす病気です。主な症状として挙げられるのは、耳に痛みを感じる、耳から膿や汁が出る、音の聞こえが悪くなるなど。片耳だけでなく、両耳に症状が表れることもあります。大人の中耳炎の場合、軽症であれば自覚症状がほとんどないケースもありますが、悪化すると、炎症が拡大して内耳炎や髄膜炎になる可能性が。それに伴い、聴力を失ったり、ひどいめまいや意識障害を起こしたりと、深刻な症状が出てしまう恐れもあるので注意が必要です。
Q2.原因は何でしょうか?
主な原因は、鼻のコンディションが悪いことだとされています。鼻水に含まれる細菌やウイルスが、鼻からスムーズに排出されず、耳にまで伝わって、炎症を起こしてしまうのです。また、飛行機に乗るときなど、鼻の調子が悪いと耳ぬきがうまくできません。そのせいで、気圧の変化によって鼓膜が膨れ上がり、中耳炎を誘発することもあります。そのため、風邪や蓄膿症、アレルギー性鼻炎などで鼻がつまっている人や、常に鼻をすすっている人は、中耳炎になりやすい傾向があります。
監修:神崎 晶 先生
慶応義塾大学医学部・慶応義塾大学病院
耳鼻咽喉科 専任講師
日本耳鼻咽喉科学会専門医
http://www.hosp.keio.ac.jp/annai/shinryo/otorhino