細菌が増殖しやすい夏に気をつけたい「食中毒」。飲食店でも家庭でも、同様に発生する危険性が。夏を元気に過ごすため、対策や予防法をチェック!
Q3.食中毒にはどんな種類がありますか?
O157(腸管出血性大腸菌)などによる細菌性食中毒、ノロウイルスなどによるウイルス性食中毒、アニサキスなどの寄生虫による食中毒が原因微生物による分類です。そのほかに、洗剤の誤飲などの化学物質による食中毒や、キノコやフグなどの自然毒による食中毒もあります。細菌の中で原因として最も多いカンピロバクターは、生や半生状態の鶏肉に潜んでいるケースがほとんど。「新鮮な肉は生でも安全」と考えるのは間違いです。
Q4.治療法はどんなものがありますか?
病院では食中毒の原因物質を特定し、対症療法を行います。数日の間に生肉や加熱不十分な料理、長時間室温においていた料理を食べた覚えがあるなら、医師に申し出ましょう。食中毒を放置すると重症化する恐れもあるため、繰り返し吐く、下痢で頻繁にトイレに行くなどの症状が出たら、早めに病院で受診してください。寄生虫のアニサキスは内視鏡で摘出するので、刺身を食べて具合が悪くなった場合は、内視鏡医のいる消化器科を受診するといいでしょう。
Q5.日常的にできる対策は?
「菌をつけない・増やさない・やっつける」の3つが効果的です。手や調理器具、食材はきちんと洗いましょう。生肉とそれ以外の食材で調理器具を分ける、肉や魚は最後にカットするといったことも重要な対策です。残った食品は清潔な容器に小分けして、冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。さらには、食材の中心部までしっかり加熱し、菌を退治することも大切です。とろみのあるカレーなどは、しっかりかき混ぜて均一に加熱することを忘れずに。
監修:門間千枝 先生
東京都健康安全研究センター 微生物部 主任研究員
http://www.tokyo-eiken.go.jp