現在、世界中で流行中の「はしか」。実際は“子どもの病気”ではなく、大人も要注意。「命に関わる病気」でもある危険な感染症の対策を知ろう。
Q3.どんな治療法があるの?
発病すると効果的な特効薬はありません。現時点では、熱が高ければ解熱剤、咳がひどければ鎮咳剤、目に症状があれば点眼薬など、個々の症状を和らげる対症療法が治療の中心となります。はしかにかかると、食事や睡眠もままならないほどの辛い症状を伴うことから、ほとんどの方が入院をし、完治するまで短くても1週間~10日、長ければ1カ月近くかかることもあります。
Q4.予防法を教えて!
効果が高い、唯一の予防法はワクチンの接種です。それも1回ではなく、2回接種することが大切。1回だと、十分な免疫力が獲得できていない可能性がありますが、1歳以上の年齢で2回ワクチンを接種すれば、約99%の人が麻疹(ましん)に対する免疫力を獲得します。現在日本では小学校入学までに2回の予防接種が義務付けられていますが、生まれた年によっては任意だったり1回のみだったりと、人によって接種回数が違う状況です。一生のうち、1度も接種せずに感染しないですむことはほぼ不可能なので、必ずワクチンを受けるようにしましょう。
Q5.ワクチンの接種回数を知るには?
もしも自分の接種回数が分からない場合は、記憶を頼りにするのではなく、必ず母子健康手帳の記録で確認をしましょう。1歳以上で2回接種した記録があれば、まず安心です。特に女性は妊娠中にワクチンを受けることができないため、妊娠前に必ず記録の確認を。また、たとえワクチンが未接種であっても、一度はしかにかかったことがある人は免疫がついているため、再度かかることはありません。
監修:多屋馨子 先生
国立感染症研究所感染症疫学センター
第三室 室長
医学博士