サンダルを履く季節には、とくに気になる「巻き爪」。「痛くないから大丈夫」というのは大間違い。悪化するのを防ぐため、原因や対策を解説!
Q1.巻き爪とはどのような病気ですか?
巻き爪は、爪の先が内側に丸く曲がる状態です。主に足の親指に起こりますが、ほかの足指や手指に起こるケースも。また、爪の巻き方には個人差があり、巻き爪のせいで痛みや違和感が生じることもありますが、とくに何も感じない場合もあるため、痛みの有無だけでは判断できません。爪の角が皮膚に食い込み、強い痛みや炎症を起こしているものを「陥入爪(かんにゅうそう)」といい、巻き爪の人は、この陥入爪を併発することも多いです。
Q2.原因は何でしょうか?
もともと爪は巻く性質のもので、指で物をつかんだり、地面を踏みしめたりして爪に圧力がかかることで、指に沿う緩やかなカーブを保っています。しかし、爪にしっかり圧力がかからない状態が続くと、爪がどんどん巻いてしまうのです。そのため、フィット感が悪い靴を履くことや、深爪、爪のケガや疾患、妊娠時の体重増加や、つま先に負担がかかるスポーツなども巻き爪の原因に。また、遺伝的に巻き爪になりやすい場合もあります。
Q3.巻き爪を放置するとどうなりますか?
足の指の巻き爪がひどくなると、陥入爪を併発するだけでなく、タコや魚の目、外反母趾など、ほかのトラブルを引き起こしたり、正しい歩き方ができなくなって、指が変形したりすることもあります。さらに、爪が刺さった皮膚が傷つき、化膿してしまうと、悪臭を発したり、歩くことさえ苦痛になったりもするでしょう。この場合には、傷口から入った菌が原因で足が壊死し、手術に至るケースもあります。
Q4.治療法にはどんなものがありますか?
爪を正常な状態に保つため、矯正を行います。ワイヤーや特殊なプレートを使うものなど、矯正法はさまざま。手術による治療法もあります。巻き爪の矯正を行なっている施設等を探し、巻き爪の状態や矯正の期間などを考慮して、自分に合う方法を検討しましょう。ただし、皮膚が化膿している場合、化膿が治まるまで巻き爪の矯正はできません。先に皮膚科などを受診し、まずは化膿した箇所の治療に努めましょう。
Q5.日常的にできる対策はありますか?
靴が原因の場合は、きちんとフィットする靴を選び、正しい履き方や歩き方のアドバイスを受けるのが有効です。靴の紐をしっかり結ばなかったり、かかとを踏んだりするのもNG。指先の負荷を防ぐには、五本指の靴下やストッキングをはくのもいいでしょう。また、深爪にならないよう、爪は皮膚の先端まで伸ばすのが理想的。爪の角は丸くせず、スクエアにしましょう。爪切りよりヤスリを使うほうが、爪や皮膚を傷つけないのでオススメです。
監修:横山依里子 先生
東京練馬巻き爪センター 院長
http://www.makidumekyousei.com