Illustration: Haruka Toshimitsu Text: Hanae Inoue

《働くオンナの救Q箱》だるさが長引く…これって夏風邪?


Q3.もし夏風邪にかかっても放っておけば治るの?

 夏風邪による下痢や食欲不振を放っておくと、脱水症状を引き起こす可能性もあります。Q2のような症状や体のだるさが続くならば、できるだけ早めに内科を受診することをおすすめします。病院に行く時間がないという人は、薬局にいる薬剤師に相談のうえ、市販薬に頼るもひとつの手段。ただ、のどの痛みや熱をおさえる薬はあっても、残念なことに夏風邪ウイルスそのものに効果的な薬はありません。体力と免疫力を高めることが、症状を長引かせず、ウイルスの排出を早めることにつながるのです。

Q4.スタミナのある食事で体力をつければOK?

 栄養バランスの取れた食事という意味なら、予防としてもおすすめです。でも、すでに夏風邪の症状が出ているときは注意が必要。たとえば体がだるいと感じたとき、スタミナをつけるために肉類を食べるという人をよく聞きますが、そもそも脂肪の多い食事は消化と吸収に時間がかかります。胃が弱り、機能が低下している状態では脂肪が消化されず、むしろ下痢の症状を悪化させることもあるのです。症状が出ているときは消化しやすく、胃腸への負担が少ない食事を選び、食欲が回復してきたら、徐々に通常の食事に戻しましょう。

Q5.夏風邪を予防するにはどうすればいい?

 まず第一に体を冷やさないこと。冷えは胃腸の働きが悪くなったり、免疫力の低下につながります。さらに、エアコンによる乾燥は気道からのウイルス感染の原因にも。食事や飲み物で冷たいものを取りすぎず、エアコンは風が直接当たらないように扇風機で空気を循環させるか、カーディガンなどを羽織って体温調整するなどの工夫をしましょう。あとは明るい時間が長いからといって夜ふかしをせず、十分な睡眠を取るように心がけを。

 

島田昌彦 先生

日本消化器病学会専門医
日本内科学会認定医
銀座しまだ内科クリニック 院長

https://w-naika.com





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