text: Eri Watanabe (EATer) photo: "SAKURA" Japan Woman's Wine Awards

女性審査員が選ぶ、アジア最大級のワイン審査会 「サクラアワード 2022」授賞式レポート


一般社団法人ワインアンドスピリッツ文化協会が主催する、アジア最大級のワインコンペティション「"SAKURA" Japan Women’s Wine Awards 2022」(通称「サクラアワード2022」)の授賞式が、ホテル雅叙園東京(目黒)にて、5月30日に開催された。ワイン業界で働く女性の活躍の場を広げ、日本食に合うワインをアピールするなど、ワイン市場の活性化を目指して2014年から開催されているこちらのアワード。今年は、過去最大数のアイテムが世界各国からエントリーされたこともあり、審査結果に注目が集まった。

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4月に開催された、サクラアワードのワイン審査。
画像提供/サクラアワード事務局

コロナ禍の影響により、2021年、2020年と過去2回の式典は開催されなかったため、授賞式の開催は3年ぶりとなる「サクラアワード2022」。今年は、25カ国から4562アイテムものワインがエントリーされ、審査は今年4月に東京と大阪の2会場で行われた。審査にあたるのは、ソムリエやワインのインポーターや醸造家、ワインショップの店員、ワインジャーナリストなど、ワインに精通する総勢430名の女性たち。厳正なる審査のもと、今回の受賞ワインが発表された。

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授賞式会場では、全大賞のワインが発表され、審査責任者である田辺由美さん(左)によって、メーカー・販売元にトロフィーが授与された。ダブルゴールドと「タイ料理に合うワイン賞」でグランプリを受賞した、ピーロート・ジャパン株式会社 代表取締役CEO アントニー・グルメルさん(右)。
画像提供/サクラアワード事務局

審査は、赤・白・ロゼ・スパークリングといったカテゴリーごとに行われ、各カテゴリーにおいて審査員の平均点が高いワインに、「シルバー」「ゴールド」「ダブルゴールド」のいずれかのメダルが授与される。さらに、「ダブルゴールド」のワインの中でも、とくに優れたワインには「ダイヤモンドトロフィー」が贈られた。ほかにも、「和食・アジア料理に合うワイン賞」や「女性ワインメーカー賞」などの特別賞があり、それぞれの部門においてグランプリが選ばれるほか、価格別の「コストパフォーマンス賞」が選出された。

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授賞式会場に展示された受賞ワイン。今年の受賞数は、シルバーが614アイテム、ゴールドが1425アイテム、ダブルゴールドが286アイテム。さらにダブルゴールドの中からダイヤモンドトロフィーが60アイテムに与えられた。
画像提供/サクラアワード事務局

「ダブルゴールド」を受賞した中でとくに優れた「ダイヤモンドトロフィー」を獲得した60アイテム。さらに特別賞である「女性ワインメーカー賞」の3冠を獲得したグランプリは、醸造家ラウレ・ギロトゥさんの「ジャン・クロード・ボワセ」(フランス・ブルゴーニュ)。さらに「コストパフォーマンス賞」の4冠を受賞したアイテムは次の通り。


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JEAN - CLAUDE BOISSET ― BOURGOGNE PINOT NOIR LES URSULNES 2020[赤]

(フランス・ブルゴーニュ/日本酒類販売株式会社)

受賞:「ダイヤモンドトロフィー2022」「ダブルゴールド2022」「女性ワインメーカー賞(グランプリ)」

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TERRAMATER ― ALTUM CABERNET SAUVIGNON 2019[赤]

(チリ・セントラル ヴァレー/株式会社ヴィノスやまざき)

受賞:「ダイヤモンドトロフィー2022」「ダブルゴールド2022」「女性ワインメーカー賞」「コストパフォーマンス賞(1501円-2500円)」

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LES JAMELLES ― LES JAMELLES CHARDONNAY 2021[白]

(フランス・ラングドック/日本酒類販売株式会社)

受賞:「ダイヤモンドトロフィー2022」「ダブルゴールド2022」「女性ワインメーカー賞」「コストパフォーマンス賞(1001円-1500円)」

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CANTINA E OLEIFICIO SOCIALE ― DOMODO CHARCONNAY 2020[白]

(イタリア・プーリア/株式会社モトックス)

受賞:「ダイヤモンドトロフィー2022」「ダブルゴールド2022」「女性ワインメーカー賞」「コストパフォーマンス賞(1000円以下)」

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ALMA CERSIUS ― GARDATGE CHARDONNAY - SAUVIGNON - VERMENTINO 2021[白]

(フランス・ラングドック/コルドンヴェール株式会社)

受賞:「ダイヤモンドトロフィー2022」「ダブルゴールド2022」「和食・アジア料理に合うワイン賞(寿司)」「コストパフォーマンス賞(1000円以下)」

 

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SANTA CAROLINA ― SANTA GOLD DEEP CHARDONNAY 2021[白]

(チリ・セントラル ヴァレー/サントリーワインインターナショナル株式会社)

受賞:「ダイヤモンドトロフィー2022」「ダブルゴールド2022」「和食・アジア料理に合うワイン賞(中華料理)」「コストパフォーマンス賞(1000円以下)」

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REH KENDERMANN ― WEINHAUS REH KENDERMANN SAUVIGNON BLANK KALKSTEIN 2020[白]

(ドイツ・ファルツ/日本リカー株式会社)

受賞:「ダイヤモンドトロフィー2022」「ダブルゴールド2022」「和食・アジア料理に合うワイン賞(寿司)」「コストパフォーマンス賞(1001円-1500円)」

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ALTANZA ― RAZA CRIANZA 2018[赤]

(スペイン・ラ リオハ/株式会社ベルーナ)

受賞:「ダイヤモンドトロフィー2022」「ダブルゴールド2022」「和食・アジア料理に合うワイン賞(中華料理)」「コストパフォーマンス賞(1501円-2500円)」

*すべて順不同


授賞式の後に行われた記者会見では、今年のコンペティションの報告が行われた。「今年は、海外からのエントリーが非常に多く、全体の57%にものぼる結果になりました。日本のワイン市場に対する海外からの期待がますます感じられる年になりました」(田辺さん)。さらに、今年のエントリーでは、低価格でコストパフォーマンスのいいアイテムが増加した。その背景には、店頭販売のみならずECでの取り扱いが増えるとともに、利用者数の増加が大きく関与しているという。

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過去にワインショップで行われたサクラアワードのワインフェアの様子。
画像提供/サクラアワード事務局

今回紹介した以外にも、特別賞には国内で醸造されている「ジャパニーズワイン賞」や、「ロゼワイン賞」もある。今日の食事に合うワインを見つけたいときや、ギフトにワインを選ぶ際などに、こうした受賞ワインを楽しむのもおすすめだ。受賞ワインは、「サクラアワード」メダルが目印となっている。お求めは、全国のスーパーマーケットをはじめ、百貨店やワインショップなどの店頭販売、ECサイトで。サクラアワードのワインをそろえたフェアも随時行われているので、ぜひチェックしてみてほしい。

"SAKURA" Japan Women’s Wine Awards(サクラアワード)公式サイト





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