映画『たたら侍』で、時代劇という新たなジャンルに挑戦した青柳翔さん。改めて、撮影中の思い出を振り返る。
「雨のシーンがあるんですけど、とにかくその雨の量がものすごくて(笑)。しかも、すごく寒い時期にそのシーンを撮っていたので、相手役の(小林)直己さんたちも大変だったと思うんですけど、そのシーンに協力してくれた役者の方達が、僕たちよりも過酷な状況だったんですよね。あれはすごく大変だったなと印象に残っています」
いい映像を撮ることにこだわったという本作。舞台となる奥出雲地方に、セットの域を超えた村をまるごと作り上げたり、伍介が村を出て旅をするシーンでは、実物大の木造船を復元させて海に浮かべたりと、とにかく妥協を許さない。CGは一切使わずに、臨場感溢れるシーンを作り出しているのだ。またフィルムでの撮影を徹底し、迫力のある戦闘シーンから、山陰地方の美しい情景まで、高い映像表現をみせてくれる。
「作品によりけりですけど、この『たたら侍』は、特に時間をかけてこだわって撮っている部分がたくさんあるんです。そういう点も、演じる側として楽しかったです」
演じた主人公・伍介と自身を重ねると、「共感できる部分は少なかった」とも。
「でも、伍介の村を出たいという気持ちには、共感できましたね。僕は札幌出身なんですけど、根拠もなく東京に出たいとずっと思っていましたから。今回演じた伍介は、スーパーヒーローではなくて、挫折を繰り返して失敗をしてしまう役なので、自分の中で葛藤もありました。最後にある戦のシーンでは、〝憎しみの連鎖を断ち切れ〟というセリフがあるんです。大切な人がもし目の前で殺されてしまったら、復讐心に囚われてもおかしくないじゃないですか。でもそれを繰り返しても、復讐の連鎖が止まらないだけ。伍介が起こす行動と一緒に、そんな作品のテーマを感じていただきたいなと思っています」
村下という宿命を背負う伍介と同じように、自身の宿命について考えることはあるか問いかけると、「自分の宿命…そうですね、なくはないですね」と、ゆっくりと答え始めた。
「僕、最初は音楽をやっていて。歌のオーディションに落ちて、それをきっかけに芝居をやってみないかと声をかけられたんです。今の事務所にお世話になり始めた頃、〝歌をやりたいけど芝居をやらなくては〟という葛藤の時期がありました。でも、芝居をやらせてもらうようになると、芝居の素晴らしさがわかって、俳優を続けていくことが楽しいと思えるようになりました。時には〝劇団EXILE〟という色眼鏡で見られることもあります。けど、僕がここでできることは何だろうと考えたときに、本当にただ芝居を好きで頑張ることなんだなってわかったんです。歳をとって結果が出ればいいなと思いながら、これまで俳優をやってきたことが僕の宿命かな」
そう真摯に答えた後に、少し照れ笑いを浮かべる。次に、作品のテーマのひとつでもある〝真の強さ〟について聞いてみると、「今みたいなことを言わないことですかね(笑)。もう、黙っていようかなって思います」と、豪快に笑った。寡黙な役どころとは一変し、柔らかな空気が彼を纏う。こんな彼なら、主演として現場をリードしていたのではと思い尋ねてみると、意外な答えが返ってきた。
「よく雑誌のインタビューとかを読んで、主演俳優さんのエピソードを真似しようとするんですけど、僕にはできないんです。主演として何かしようというよりも、少しでも自分の芝居がよくなることが結果に繋がるのかなと思うので、そこに集中しようと思っています。なんか、僕が言うと嘘くさくなっちゃうんですけどね(笑)」

丁寧に言葉を選びながらも、まわりを和ましてくれる気遣いの人。こんな人柄も、錦織監督が目をかけた理由のひとつなのかもしれない。改めて、青柳さんからみた錦織監督とは?
「まわりを巻き込むのがすごく上手な人ですね。錦織さんの中では、いつもやりたいことや撮りたいものがはっきりしている。そこにすごく熱意を持っていて、〝絶対にやり遂げたいんだ〟という強い意志がある方なので、みんな錦織さんに協力したくなって、どんどん人が集まってくるんです。そこが監督のすごいところだなって思います。映画に出ているキャストの方々の中には、監督の作品に必ず出ている方もいて。錦織さんの人柄のおかげで、素敵な作品ができるんだと思いますね」
そんな監督とは、映画公開後にどんな会話があったのだろうか。
「そうですね。現場中に、〝現場中は太るんだよ、俺〟って錦織さんに言われて。作品が出来上がった後には、〝今本を描いてるんだけど、本を書いてたら太るんだよ〟と、また言ってきて(笑)。それ、いつも言ってるじゃないですか!って話したのは覚えています」
錦織監督とのエピソードを話す彼は、不思議と笑顔が多いことに気づく。『たたら侍』は、この信頼関係があってこそ、生まれた作品なのだ。最後に、表現者としの今後の目標とは?
「もちろん、いろんな役にチャレンジしてみたいという気持ちは、役者として当然のことだと思っています。でも、今までやらせてもらってきた役の中で、本当の悪役というものはまだないので、今後チャレンジして演技の幅を広げられたらと思っています」
返ってきたのはこの力強い言葉。『たたら侍』同様、新境地を開くであろう彼の次回作に、今から期待が膨らむ。

あおやぎ しょう
1985年4月12日、北海道生まれ。劇団EXILEのメンバー。2009年の舞台『あたっくNo.1』で俳優デビュー。以来、テレビや映画、舞台などで活躍。2016年には1stシングル『泣いたロザリオ』で歌手デビューも果たす。5月24日には、写真集『AOYAGI SHOW』を発売する。
映画『たたら侍』
5月6日(日)19:00〜/5月26日(土)23:00〜、時代劇専門チャンネルで放送 原作・脚本・監督:錦織良成 エグゼクティヴ・プロデューサー:EXILE HIRO 出演:青柳翔(劇団EXILE)、小林直己(EXILE /三代目 J Soul Brothers)、AKIRA(EXILE)、田畑智子、笹野高史、津川雅彦ほか
ドキュメンタリー番組『海を越えた日本刀〜その美と魂の軌跡〜』
5月6日(日)21:15〜/5月26日(土)深夜1:15〜、時代劇専門チャンネルで放送 出演(ナビゲーター):青柳翔(劇団EXILE)
時代劇専門チャンネル公式サイト https://www.jidaigeki.com/
ご加入のお問い合わせ:0120‐200-292(受付時間:10時~20時/年中無休)
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応募方法
下記必要事項を記入いただき、メールでご応募ください。
・件名:「たたら侍」プレゼント
・本文:氏名/生年月日/メールアドレス
・宛先:metro@sankei.co.jp
・締切:2018年5月20日(木)23:59まで
・発表:当選者の発表は当選メールの発送をもって代えさせていただきます。
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