この街の、ちょっといいものつくる人
【EN VEDETTE LUXEのケーキ】
《EN VEDETTE LUXE》 森 大祐さん
追求と進化の手を緩めず
おいしさの高みを目指す。
「パティシエの本分は、おいしいものをつくること。おいしいものができたら、誰かに食べてもらいたいんです。東京の玄関口ともいえるこのエリアは、僕らにとって理想の場所。国内外の方々が行き交うので、店のことや僕らの味わいを知っていただけますし、ギフトや差し入れ、お土産を介し、その先にいる世界中の方にも伝えられますから」
アン ヴデット リュクスは先月グランドオープンした、東京ミッドタウン八重洲の1階に店を構えるパティスリー。ケーキはギフトとしても選んでもらいたいとの思いから、個包装に。「箱を開けるときのワクワク感も演出したくて」。そして、どんな食材を使っているのかわかるように、説明書をつけている。「おいしさをきちんと味わっていただきたいという願いを込めています」。
どんな味がするのかを知って食べるのと、知らないで食べるのとでは、味わいの感じ方が違うという。
「味覚は口と舌だけではなく、脳でもとらえます。使われている食材や製法など、いろんな情報をインプットしたうえで口にすると、脳がその食材や味を探し、味わおうと考えながら食べるので、よりおいしさを感じられるんです」
スペシャリテは香りをテーマに開発し、ジャスミンをベースにつくった“ジャスマン・パンプル”。
「香りを楽しんでいただきたくて、天然の茶葉を選び抜き、使い方や抽出の仕方を試行錯誤しました。ジャスミンの柔らかな香りを崩さぬよう、フルーツはパンプルムース(グレープフルーツ)に。中は層状で、グレープフルーツのジュレを入れています。お茶の渋みがスッとほどけるんです。軽い口あたりにしているので、甘みがほしいときは横に添えたキャラメルのチョコレートをひと口。いちばん下はサブレ。時間が経ってもザクザク感が楽しめます」
スイーツづくりにおいて、香りは大切な要素のひとつ。併設するイートインスペースは、待望の場所だったに違いない。
「提供しているパフェはアイスに熱々のリンゴをのせています。冷たいものと熱いものを一緒に食べることはイートインでしかできないんです。クリームの柔らかさも調整できますし、フルーツも毎日同じ味ではありませんから、その日の味に合ったつくり方ができます。フレッシュな香りづけもできる。イートインは、その時々でしか味わえない”おいしい正解“が堪能できる場所。お客様にも体感していただけたらうれしいです」
喉の奥から鼻に抜ける心地よい香り。食感の妙。長く続く味わいの余韻。オーナーパティシエの森 大祐さんがつくるスイーツは、じつに繊細だ。森さんらしいクリエイションがこの先の答えとなるよう、おいしさへの探究は続く。
アン ヴデット リュクスのスペシャリテ、ジャスマン・パンプル。ジャスミンが香るクリームとグレープフルーツを合わせ、さわやかな口あたりに仕上げた。1080円。ホールは5184円。
バームクーヘン、フィナンシェ、マドレーヌなどの焼き菓子がずらり。ショーケースにはカヌレやスコーン、ショコラなどもあり、商品ラインナップは清澄白河にある本店とすべて異なる。
《買えるのは、ここのお店》
京橋駅(東京メトロ銀座線)
EN VEDETTE LUXE
清澄白河と渋谷に店を構えるパティスリー「EN VEDETTE」の新業態。ケーキ、焼き菓子、ショコラをはじめ、イートインスペース(10席)でしか食べられない、できたてのパフェも提供する。テイクアウトできるクレープも美味。お見逃しなく。
中央区八重洲2-2-1
東京ミッドタウン八重洲 1F
Tel. 03-6262-5545
[営]11:00~21:00
[休]東京ミッドタウン八重洲に準ずる
instagram:@envedette_luxe
《Present》
アン ヴデット リュクスから「リーヴルクーヘンリュクス(6個入)」を3名様にプレゼント。
応募方法はこちら
素材の扱い方が素晴らしい。
それが記憶に残るおいしさにつながるんですね。
まずは、ひと口ぜひ!
案内人
大森由紀子さん
フランス菓子研究家。パリのル・コルドン・ブルー卒業。料理教室「エートル・パティス・キュイジーヌ」主宰。「スイーツ甲子園」の審査員も務める。