パティシエの技術を詰め込んだドーナツ専門店オープン 『UN DONUT(アンドーナツ)』(東京・清澄白河)


 高校生がスイーツ作りの技術とアイデアを競い合うコンテスト「スイーツ甲子園」(主催・産経新聞社、特別協賛・貝印)で審査員を務めるパティシエの森大祐さんが8月末、東京都江東区(清澄白河)にドーナツ専門店『UN DONUT(アンドーナツ)』をオープンさせた。長年培った技術や経験をシンプルなドーナツに昇華させる原点回帰の試み。地域や人とつながる〝ドーナツ屋さん〟を目指している。

  森さんは洋菓子メーカー「ロイスダール」や「グランドハイアット東京」での勤務を経て渡仏。パリの「モワザン」などでシェフ・パティシエとして経験を積んだ。帰国後、平成28年に自身のパティスリー『アンヴデット』を東京・清澄白河(東京都江東区)に開業した。アンヴデットは渋谷スクランブルスクエア(同渋谷区)にも出店し、東京ミッドタウン八重洲(同中央区)は『アンヴデット リュクス』としてパフェなどを店内でも提供している。

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「ベーカリー(パン屋さん)とは一味違うパティシエならではのドーナツを」と笑顔を見せる森さん


 「多様なスイーツをお届けする中で、培ってきた技術や経験をもっとシンプルに表現したいと考えるように。思い浮かんだのがドーナツでした。ドーナツは流行に左右されるスイーツのひとつですが、パティシエが得意とするクリームのおいしさなどをいかせる分野でもある。ドーナツがこんなにおいしくなるなんて!と驚きを届けたいですね」。森さんは新しい挑戦への思いをこう語る。

 店舗『UN DONUT』は、東京メトロ半蔵門線と都営地下鉄大江戸線が乗り入れる清澄白河駅を出て、江東区深川江戸資料館前を貫く深川資料館通り商店街にある。

 近くには東京都現代美術館や清澄庭園もあり、『アンヴデット』からも徒歩約5分という好立地。森さんは「人気カフェなども多く、散策を楽しむ方も多いです。地元の方たちもおいしいものへの関心が高い。いろいろなお客さまと出あえる場所」と清澄白河へのこだわりをのぞかせる。

 そんなお客さまたちを迎えるのは、店のマスコット・油あげ職人のキツネ(名前はまだない)。こだわりの強い職人肌のキツネで、3時のおやつの時間になるとせっせとドーナツを揚げており、評判が広まって、ついに店を開いた…という設定だ。

 デザインは「スイーツ甲子園」の縁から、調理器具などを手掛ける貝印上席執行役員で、グレートワークス株式会社CCO(最高顧客責任者)・クリエイティブディレクターの鈴木曜さんが担当した。

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店内ではキツネのデザインをあしらったボトルやコーヒーマグ、エコバックなども販売している

 ドーナツは、イタリアの伝統菓子パストーネから発想を得た生ドーナツで、しっとり、ふわふわ、柔らかくて軽い食感が代名詞。オープン当初から一番人気を誇るカスタード(480円)をはじめ、フランス産ベリーを使ったカスタード&ベリー(540円)のほか、あんこバター(480円)、プラリネ(540円)など多様な味との相性を楽しめる。パティシエならではのシュー生地を使ったフレンチクルーラーもラインナップした。

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江東区深川江戸資料館が近いこともあり江戸時代から愛されるあんこにこだわった。シュー生地を使ったフレンチクルーラーはパティシエならではの味


 店内では人気コーヒー店、オールプレス・エスプレッソのコーヒーを提供。日によっては、コーヒーを抽出した後のコーヒーかすを生地に混ぜ込み、プラリネやナッツ系の商品と合わせてサステナブルへの取り組みにも挑んでいる。

 森さんは「散策のお供だけではなく、地域の人たちのお土産や日々のおやつ需要など、すべてを引き受けていくつもりです。四季折々の味わいを詰め込んで、たくさんの人とつながるお店を目指していきます。店の名前『UN DONUTS』のUNはフランス語で〈1〉を意味する。オンリーワンでナンバーワンを目標に、パティシエならではのモノづくりを進化させていきます」と意気込んでいる。
 

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老若男女、だれでもおいしく味わえるドーナツ屋さんを目指している


『UN DONUT』

東京都江東区白河2丁目6-11 岩崎ビル1階
営業時間は午前11時から午後6時30分(なくなり次第終了)
定休日などは公式インスタグラム(@undonut_kitsune)へ

 





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