明日7日は七夕です。織姫と彦星が、1年にたった1度だけ、天の川をわたることが許される日で、別名「サマーバレンタイン」とも言われます。
四季折々の風景や歳時記を形や色に込めて表現する和菓子には、この時期にぴったりの見た目も涼しげで、星空のようにロマンチックなものがあります。新宿と横浜の高島屋の和菓子売り場で見つけた七夕ゆかりの和菓子をご紹介します。
「ひととせ(一年)に 七日の夜のみ 逢ふ人の 恋も過ぎねば 夜は更けゆくも」(柿本人麻呂)という万葉集の和歌から菓名を取ったのは「乃し梅本舗 佐藤屋」(山形市)の「ひととせに」(1296円)。新宿高島屋和菓子バイヤーの山本友里さんの発案で、「和菓子をもっと自由に」をモットーとする8代目、佐藤慎太郎さんが作りました。
山本さんは「佐藤屋さんの羊羹に黒糖を使ったものがあるのですが、柚子やレモンなどを使った天の川をイメージしたようなものをリクエストしました」と話します。そしてでき上がったのが「ひととせに」です。下の紫色の羊羹は、70種類ものハーブが入ったイタリアのリキュール「ストレガ」を入れて甘く魅惑的な香りを演出したそうです。ちなみに「ストレガ」は魔女のこと。上の部分は、錬り切りで作った5色の帯で織姫の糸巻きを表現、そこに柚子入りの寒天を流し込みました。「ストレガは香りが強いので柚子と合わせるとちょうどいい感じになります。一年に一度の逢瀬を心待ちにする2人の心情を表した大人の菓子です」と佐藤さん。

「乃し梅本舗 佐藤屋」(山形市)の「ひととせに」(1296円)
「彩雲堂」(松江市)の「満天」(1296円)は、夏の夜空に瞬く満天の星をイメージした夏の限定品です。10年ほど前に作り始めたそうですが、当時は青い色の和菓子などほとんどなかったということです。小豆の羊羹の上に、青く染めた錦玉(寒天)をあしらったもので、星に見立てた金粉をスプレー状にして吹き付けています。一見すると二層に見えますが、実は夜見ると一番上に透明の寒天が流し入れてあるため三層に見えるという懲りよう。梅雨の時期はなかなか天の川を見ることができませんが、6代目の山口周平さんは「和菓子は想像で食べるもの。織姫と彦星のストーリーを思い出しながら、天の川に思いをはせて食べていただきたいですね」と話します。

「彩雲堂」(松江市)の「満天」(1296円)
「亀屋清永」(京都市東山区)の「星づく夜」(810円)は、見るからに満点の星が輝く夜空を思わせます。パッションフルーツとレモンがほのかに香るさっぱりと爽やかな味わいです。横浜高島屋では、この2週間くらいで100本は売れたといいます。和菓子売り場バイヤーの高田圭祐さんによると「見た目の涼やかさとかわいらしさが人気なのでしょう。お客さまの中にはリピーターの方もかなりいらっしゃいます」と話します。

「亀屋清永」(京都市東山区)の「星づく夜」(810円)
「亀屋良長」(京都市下京区)の季節限定商品「暦(七夕)」(810円)は、梅酒や桃のリキュール、レモンなど5種類の味を五色で表現した短冊に落雁の笹の葉、さらに金箔付きの、星に見立てた琥珀が丁寧に並べられた干菓子の詰合せです。美しい和菓子の小宇宙が箱の中に広がります。さらに、京都の和装製造の「SOU・SOU」のオリジナルメッセージカードが付いているのもおしゃれです。
「亀屋良長」(京都市下京区)の「暦(七夕)」(810円)
あられ・おかきの専門店「赤坂柿山」(東京都港区)は歳時記などに合わせてさまざまなアソート(詰め合わせ)を販売しています。こちらの「七夕アソート」(648円)は、星やハートなど4種類の形のせんべいとおかき計11袋を詰め合わせました。今年初めて出した商品だそうです。
四季折々の表現ができるのが和菓子です。明日は七夕にちなんだ和菓子をお供に夜空に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

「赤坂柿山」(東京都港区)の「七夕アソート」(648円)
☆「ひととせに」と「満天」は新宿高島屋だけの取り扱いです。また、ご紹介したものはいずれも人気商品なので売り切れになっている可能性もあります。価格はいずれも税込みです。
新宿高島屋 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2 ☎03・5361・1111
横浜高島屋 横浜市西区南幸1-6-31 ☎045・311・5111