働き方が多様化する今、多くの企業では、個人のさまざまな事情を尊重し、誰もが自分らしく働ける環境づくりを重視している。会社の取り組みを活用して、健やかに働き、心豊かに生きる。明治安田生命保険の清水優作さんもそのひとり。1週間ずつリレー形式で時短勤務をする「かえるリレー」を体験したことで、日々の暮らしにどんな変化があったのか。コーヒーブレイク中に話を聞いた。
時短勤務で立ち会えた
子の成長の瞬間
「妻から日中の子どもたちの様子は毎日聞いていました。でも、目の前で新しい言葉を発したときは嬉しかったですね。感動が全然違いました」
そう話すのは、双子の1歳児をもつ清水さん。普段はフレックス制で18時に帰宅していたが、「かえるリレー」を体験した1週間は、15時に帰宅。子の“成長の瞬間”に立ち会えたことは大きな喜びだった。
「子どものごはんとお風呂と寝かしつけが、私の任務。だから、平日は家での様子しか知らなかった。でも、15時に帰ることで、公園や病院にも二人がかりで取り組め、いつもと違う姿も見られました。それに『かえるリレー』だと帰宅=終業なので、はっきりとオンオフが切り替えられる。子どもに集中できたことがよかったです」
帰宅が早まったことで、育児の幅も広がったという。
「妻の困りごとの理解が深まりました。複数の視点で育児ができるのは大きかったですね。自分がいない時間のサポートにもつながりました。育児は小さな課題が数えきれないほどあって、話だけだとその苦労がわかりにくい。でも、その苦労に直面すると、自分ができることは何かを考えます。たとえば、出勤前に食べこぼし用のシートを敷くことで、事前に対策が打てる」
体験期間中は「妻が普段より優しかった」と笑う清水さん。仕事面でもメリットがあった。
「勤務時間が短くなる分、業務の効率化が進みました。使うのに躊躇していた生成AIを導入したり、会社主導の取り組みだからこそ、新たなシステムや新しい価値観と巡り会えたのかもしれません」
時短勤務は一時的なものだったが、それでも、その影響は大きいようだ。
「家庭や仕事、介護。自分が今、何をしたいのか。1週間という限定の期間でしたが、それを考えて、生かすきっかけになると思います」
日常にはない少しのゆとりをもつことは、自身の生き方や幸せを考えるのに必要な時間なのかもしれない。
清水優作(明治安田生命保険勤務)
2017年入社。地元の静岡県浜松市の支社に勤務後、2年間は出向で別会社へ。おととしより本社の営業人事部に所属。趣味は資格取得。将来、子どもと勉強するのが夢。
利用している取り組み「かえるリレー」
働き方改革の一環として、明治安田が始めた時短勤務者の立場を擬似体験するための取り組み。メンバーは1週間ずつリレー形式で時短勤務をする。

子どもの成長や変化を目の当たりにできる喜びと、
育児の大変さを実感しています
双子の息子たちは、1歳ながらすでに性格が異なるそう。兄は勇猛果敢で、通行人にも手を振るほど人懐っこい。一方、弟は慎重で人見知り。ふたりの反応が違うからこそ、その成長ぶりにもギャップが。「問題は、体験期間が終わった翌週も『早く帰りたい』って気持ちがうずくことです(笑)」

