明日から6月。いよいよ夏も間近ですね。夏祭りや花火大会など夏の定番イベントだけでなく、最近では美術館や映画館、劇場へのお出かけなどさまざまなシーンで浴衣を着ている人を見かけるようになりました。
すでに百貨店や専門店などではさまざまな浴衣が並び始めています。そんな中、横浜市西区の横浜高島屋に、今年らしい浴衣を探しに行きました。横浜では3日(土)に「横浜開港祭」の花火を控え、浴衣選びにも力が入りそうですね。
横浜高島屋では4月中旬から7階呉服売り場に浴衣を展開していますが、今年のキーワードは、ずばり「VIVID」!。インスタグラムなどのSNS映えする色鮮やかで大胆なデザインの浴衣に人気が集まっているそうです。
銘仙の柄の浴衣は色合いといい、デザインといいスタイリッシュなのでとても目を引きます=横浜市西区の横浜高島屋7階和服売り場 (写真・田中幸美)
とくに今年のイチオシは、今から約100年前、若い女子の間で大流行した「銘仙」(めいせん)の柄を取り入れた浴衣だそう。
銘仙は、大正時代から昭和初期にかけて、大量に生産された絣(かすり)の着物で、斬新なデザインと鮮やかな色使いが昔のおしゃれ女子のハートをわしづかみにしました。
日本イタリア国交樹立150周年となった昨年、ローマで「VIVID MEISEN」という大規模な展覧会が開催されるなど近年、その鮮やかな色彩や大胆なデザインと技法から、国内だけでなく海外からも銘仙に熱い視線が向けられています。
100年前の柄とは思えない斬新な銘仙の柄の浴衣が今年は注目。とても涼しげに見えます
そこで高島屋では、「VIVID MEISEN」で展示された銘仙の柄の中から大妻女子大家政学部の協力を得て、現代の女子学生たちが心引かれる4種類の柄を選び、それを復刻させてオリジナル浴衣を製作しました。朱と藍と紺の幾何学模様や亀甲柄など、今見てもまったく古くささを感じさせない斬新でスタイリッシュなデザインです。
大妻女子大の女子学生が厳選した銘仙の柄を復刻した浴衣。こちらはトンボという柄です(浴衣は4万3200円、ピンクの兵児帯は1万7280円、いずれも税込み)
ブルーの花びらに花芯のピンクが映える銘仙の柄を復刻した浴衣(4万3200円・税込み)。半幅帯は2万1600円(税込み)
さらに、銘仙柄にインスピレーションを受けて「VIVID MEISEN」展で、銘仙のアンティーク生地を使ったスツール(小さな腰掛け)を発表したデザイナーの前島淳也さんが、新たな銘仙柄の浴衣2種を製作しました。ブルー地とグレー地のスクエア柄、そしてブルー地およびグレー地に水玉を描いたものです。こちらも渋い中にきらりと光るセンスが感じられる浴衣に仕上がりました。
銘仙のビビッドなデザインに着想を得てデザイナーの前島淳也さんが新たにデザインしたブルーとイエローの細かいスクエアの重なりで光を表現した浴衣(5万4000円・税込み)。麻が主な素材の兵児帯は1万7280円(税込み)
亀甲にカメリアを組み合わせた銘仙の柄の浴衣(4万3200円・税込み)。兵児帯はポリエステル100%です(1万2960円・税込み)
いずれも、着た姿を撮影してインスタなどに投稿したら、注目されること請け合いです。100年前のモダンガールの気分で、ひと味違った夏を楽しんではいかがですか。
一人で簡単に蝶々結びをすれば締められることから、兵児帯が最近人気を集めています
銘仙柄の浴衣は横浜店だけでなく、日本橋、新宿、大阪、京都、ジェイアール名古屋の各店で展開しています。
京都高島屋では、正面のウィンドーに銘仙柄の浴衣が飾られています=28日、京都市下京区
(写真はすべて田中幸美)
◆「横浜高島屋」は、横浜市西区南幸1-6-31、午前10時~午後8時。浴衣は7階の呉服売り場で。問い合わせは☎045・311・5111。