コーヒーpapaのおいしい話⑭ 適切な抽出方法と「酸味」

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 コーヒーの風味の中で酸味は非常に重要です。

 生豆に含まれる有機酸は2%程度で、焙煎しても変わりませんが、いずれにしろ抽出液140ccには微量です。しかし、それでもコーヒーに酸を感じます。注意してほしいことは同じ酸味でも、豆そのものが内包する酸味と酸化した酸味では味に違いがあるということです。

 1990年にこの仕事を始めたときから10年以上は、「酸っぱくないコーヒーをください」というお客さまが多くいました。このすっぱいというのは「焙煎が浅いか?焙煎後に酸化しているのか?」のどちらかです。

 焙煎したてであれば酸化はしていませんので、少し深めの焙煎豆を選択すればよいでしょう。

 2000年の中盤になると、スペシャルティコーヒーの流通も増えだし、コーヒーの風味には酸の質が重要と認識されるようになりました。

 この当時、優れたコーヒーが流通しはじめ、コーヒーにかんきつ系の酸があることが少しずつ理解されるようになったわけです。私が1990年に開業したときは、世界中でコーヒーにかんきつの酸があるといった人は、ごくわずかでした。

 日本は果樹王国で、さまざまなかんきつ系の果実が生産されています。レモン、温州みかん、グレープフルーツなどあまりに多くあり、コーヒーのよい酸味は、これらの味を感じさせます。

 テースティングでは強い酸のある場合=レモン、穏やかで甘味を伴った酸味=オレンジ、やや苦みを伴った酸味=グレープフルーツなどと表現します。

 さらには、さわやかな酸、明るい酸、果実のような酸などという言葉を使用します。

 かんきつ系の果実のおもな有機酸は、クエン酸です。レモンのクエン酸含有量は3g(可食部100gあたり)で、リンゴ酸の0.1gよりはるかに多く含まれます。またオレンジの酸は0.3gですので、酸の表現は、そのあたりを勘案すればよいということになります。

 クエン酸以外にも、お酢の原料となる酢酸やリンゴ酸も含まれ、それらの複合したものが酸味の特徴を形成します。

果実の有機酸量


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