南三陸から幻の「あまころ牡蠣」がデビュー

グルメ

 これまで宮城県南三陸町の一部でしか食べることができなかった〝幻のカキ〟が、17日(金)からゼネラル・オイスターが展開する全国33のオイスターバーでメニューとして提供されます。

 幻のかきは、生まれてから一度も卵を持ったことがない0歳のかきのことで、「バージンオイスター」と呼ばれています。

 一般的なかきは、種から育てると出荷までに少なくとも15~16カ月かかり、夏場の産卵を経験するため、渋みや雑味が出てしまいます。一方、10カ月程度育てた未産卵の0歳かきは、えぐみがなく強い甘味を持っているのが特徴です。

 宮城県は広島県に次ぐ全国2位のかき生産地ですが、近年少しずつかきの生産量が減少。それに追い打ちを掛けるように東日本大震災が起こり、南三陸町のかき養殖は壊滅的な打撃を受けました。逆境にあえいだかき生産者たちは、復興の動きが広がる中で「自分たちが最高だと思うカキを作ろう」と一念発起。生がきをむく作業でむき身用のかきの上に付着していた、産卵を経験していない甘くておいしいかきに注目し、宮城県気仙沼水産試験場の協力を得て、これまでかき処理場の技術者や地元の人しか食べることのできなかったバージンオイスターの量産化に成功したのです。


 三陸沿岸では殻付きかきを「ころかき」と呼ぶことから、極上のやさしい甘さを持つ未産卵かきは「あまころ牡蠣」と名付けられました。

 昨年は出荷数が 2000個と少なく、限られた店舗にしか提供できませんでしたが、今年は2~3万個の出荷が可能になったため、新宿や池袋、銀座などで「ガンボ&オイスターバー」を展開するゼネラル・オイスターの33の直営店でデビューすることになったというわけです。

 メニューは、あまころ牡蠣が1個だけ入った「旬の生牡蠣プレート」4ピース(2460円)と6ピース(3250円、いずれも税抜き)。あまころ牡蠣単品の場合は1個580円(税抜き)です。


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