醍醐寺でもっとも早く見頃を迎える霊宝館の枝垂れ桜=京都市伏見区の醍醐寺(写真・田中幸美)

《京都》桜の名所、世界遺産・醍醐寺が満開


 京都には桜の名所といわれる寺社がたくさんありますが、その中でも人気なのが京都市伏見区の世界遺産・醍醐寺。1598(慶長3)年、豊臣秀吉がこの世を去るわずか半年前に「醍醐の花見」を行った美しい古刹です。
 その醍醐寺には枝垂れ桜をはじめ、ヤマザクラやソメイヨシノなどさまざまな種類の桜約1000本が植えられていてそれぞれ開花や満開の時期が異なるため、長い間桜を楽しむことができます。

「醍醐寺三宝院の枝垂れ桜」⑤.jpg三宝院の枝垂れ桜も今が見頃です(4月4日撮影)


 中でも最も早く見頃を迎える霊宝館の枝垂れ桜は、3月下旬には満開となりましたが、4月に入ってから気温の低い日が続いたため、見頃をキープしています。霊宝館は、国宝や重文、文化財など約10万点余りを収蔵する醍醐寺の博物館です。

「醍醐寺霊宝館の枝垂れ桜」⑧.jpg折れてしまった枝も多数ありますが、懸命に花を咲かせる枝垂れ桜にうれしくなりますね

 

「醍醐寺霊宝館の枝垂れ桜」⑦.jpg霊宝館の枝垂れ桜は今が旬


 昨年9月の台風21号によってかなりの数の枝垂れ桜が倒れたり枝が折れたりして桜の時期が心配されていました。しかしそのような中、根本から倒れてしまった木が小さな桜の枝を伸ばして花を咲かせる光景を目の当たりにすると桜はとてもデリーケートな植物ですが、潜在的な生命力を感じます。

「醍醐寺霊宝館の枝垂れ桜」①.jpg倒れた木から伸びた枝にも花が

 

「醍醐寺霊宝館の枝垂れ桜」③補正別.jpg根元から倒れた枝垂れ桜からも枝が伸びて花を咲かせています


 三宝院の枝垂れ桜も同様に見頃をキープしています。

「醍醐寺三宝院の枝垂れ桜」⑤.jpg三宝院の枝垂れ桜


 そして今週末見頃を迎えそうなのが、霊宝館前の桜のアーチです。散策路の左右に植えられたソメイヨシノが空を覆うように張り出してくる様子は圧巻です。秀吉の花見行列に参加したような気持ちで歩くのも楽しいですね。さらに国宝・五重塔を背景に咲く花も見事です。

「醍醐寺霊宝館前の散策路」①.jpg霊宝館前の桜並木の下を秀吉気分で歩くのもステキです

 

「醍醐寺霊宝館前のソメイヨシノの散策路」①.jpg門をくぐると、桜並木が続きます

 

「醍醐寺霊宝館前のソメイヨシノの花」①.jpg今週末はソメイヨシノが満開の予感


 京都は、充分日帰り圏内にあります。朝一番の新幹線に乗って古都の花見としゃれてみませんか?

◇醍醐寺は、京都市伏見区醍醐東大路町22 ☎075・571・0002 
◇14日午後1時からは「豊太閤花見行列(桜祭り)」が行われます。時代装束に身を包んだ行列が境内を練り歩き、桃山時代を彷彿とさせます。
拝観時間は午前9時~午後5時。拝観料は、3カ所共通券(三宝院、伽藍、霊宝館)で800円。京都市営地下鉄東西線醍醐寺駅下車徒歩10分。


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