メトロポリターナ編集部の自称「カメラ女子」が、ベテラン写真家しょうめい先生に弟子入りし、撮影術を実践で学ぶステップアップ連載。今回は、撮影スポット満載の鎌倉へ!”鎌倉通”の先生にガイドしてもらいながら、見頃を迎えるアジサイやお寺の風景など絶好の被写体を収めてきました。撮影日が金曜ということもあり、半分お出かけ気分でテンションも自然と上がってきます(先生すみません。。)
「絞り」を操作する
北鎌倉駅に着き、サザンオールスターズの名曲が聞こえてくるよう…と歩きながら数分、最初の撮影場所である臨済宗大本山の円覚寺に到着。「今回もマニュアル(設定)で撮りましょう」とさらっと言う先生にあっけにとられつつ、初挑戦した前回の復習を急いで脳内で行い階段を上ります。快晴とまではいかないまでも、撮影に十分な光量です!
「今回はぼかしの技術を学んでみよう。そのために、F(絞り)値を操作してごらん」と先生。前回の夜景撮影のときに勉強した絞りの定義を必死に思い出します。確か、カメラが取り込む光量を調節することで、数値が大きいほど暗くなるはず。
前回の夜景はF値を「8」に設定しましたが、今回は光の多い日中なので「10」くらい?あとはシャッタースピードとISO感度を調整し、何パターンか試し撮りしてよさそうな値をさぐっていかなきゃ…と最初から混乱気味に。
そんな中、「境内の美しいアジサイを題材に何枚か撮ってみよう。F値は10で」と先生からお題が。満開とまではいかないまでも、十分に色彩豊かに咲いている花を、設定を変えて何パターンか撮ってみます。根っからの練習嫌いのなので、動かない被写体を何枚も根気強く撮るのは本当に苦手…。
やっとうまく撮れた1枚(F値10、シャッタースピード1/200、ISO200)がこちら。

F値を「10」と大きくすると暗く写るから、シャッタースピードは遅めで、などと考え、一眼レフってやっぱり奥が深い…と挫折しそうになりました。でも、お寺の雰囲気を借り「これも全ては推しのアイドルを最高の状態で収めるための修行!」と思い直し、1枚1枚祈るような気持ちでシャッターを切った成果です。先生にも「各設定のバランスがよく、きれいに写っている」とお褒めのお言葉をいただき、まずひと安心。
先生に円覚寺の穴場ともいえる弓道場や、座禅会が開かれる道場「居士林」などを案内してもらい、続いてアジサイの名所として知られる明月院へ移動します。
「ここの青いアジサイは”明月院ブルー”と呼ばれるくらい有名なんだ。満開の季節になると行列ができて入場制限がかかるほどだけど、今日は人が少なくてラッキーだね」と先生。足を踏み入れると、まさに石段と両側のアジサイが絶好の撮影スポットが。さらに、ふと右側に目を向けてみると竹林が。まっすぐしなっている竹が並ぶ風景は被写体として、とても面白い…!画面にどう入れこむか、構図を決めるのにとても良い素材だと思い、レンズを向けると先生から「F値を(わたしのレンズの)最小の4.5に変えてみて」と指示が。
そして撮影した1枚(F値4.5、シャッタースピード1/200、ISO200)をみると、なんと背景の竹林が良い雰囲気で”ボケて”アジサイが見事に際立ちました!(先生のアドバイスでホワイトバランスもいじって早朝っぽい雰囲気にしてみましたが、それはまた別の回に説明します)

円覚寺の1枚と比べると、F値の違いでボケにかなりの差が出ていることが分かります。なんでもF値を変えると、ピントが合ってみえる範囲を表す「被写界深度」を調節できるとか。つまり、F値を小さくするほど、ボケが出やすくなります。
先生から最後にお言葉。「テーマを浮かせる、際立たせるためには思い切ったF値にいじることが大切。その適正な値を見つけるためにも、このシチュエーションならこの値、という感覚がぱっと出てくるようになるまで練習が必要だね」
次回はボケの出し方を踏まえ、改めて「ピント」について学びます!
※カメラ女子への激励や、しょうめい先生に教えてほしいことなどご意見・ご感想を募集します。編集部(question@metropolitana.jp)までどしどしお送りください!


しょうめい先生 新聞社で報道写真を撮り続けて40年以上のベテランカメラマン。ライフワークとして鎌倉の景色を撮り続けるほか、某大学芸術学部の写真学科で講師も務める。鎌倉ドローン協会の理事の肩書きを持ち、最新の撮影グッズにも精通している。
Illustration:Nozomi Yuasa
※隔週水曜掲載