喜多川歌麿「歌まくら」(部分) 天明8年(1788) 浦上満氏蔵 Poem of the pillow(Uta makura) Kitagawa Utamaro /1788/A group of twelve large-size prints/Colour woodblock print/each 25.5×37.0cm/ Uragami Mitsuru collection

《銀座》「ピエール セルネ&春画」展スタート 北斎、歌麿ら絵師5人の約40点とフランス人アーティストの写真が描くコントラスト 


 喜多川歌麿や葛飾北斎ら江戸時代の絵師が性風俗を赤裸々に描き、流行した春画。大胆な男女の構図や、きぬ擦れの音が聞こえてきそうな繊細な筆致など美術的価値に改めて注目が集まっています。春画と、同じ「性」をテーマとするヌードのシルエット写真を対比した展覧会「ピエール セルネ&春画」が、銀座のシャネル・ネクサス・ホールでスタートしました。
 本展は、北斎漫画の収集で知られる東洋古美術商「浦上蒼穹堂」の店主、浦上満氏のコレクションから春画約40点を展示。エロティシズムで一括りにされがちな春画ですが、5人の有名絵師別に作品を並べることで北斎の直接的な”生々しさ”、鳥文斎栄之の”きらびやかさ”など作風の違いを浮かび上がらせています。

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絵師別に並べられた春画作品と、ヌードのシルエット写真がバランスよく展示された会場。 (C) CHANEL NEXUS HALL
 一方、フランス人パフォーマンスアーティストのピエール・セルネ氏は、写真シリーズ「Synonyms(同義語)」を展示しました。19世紀の日本の掛け軸に描かれた肖像画に触発されたという同シリーズは、個人やカップルの肉体のスクリーンに映るシルエットを撮影したモノクロ作品です。色を排した間接的なシルエットのみを伝える24点は、さまざまな文化的背景をもつ被写体の類似性を感じさせてくれます。

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Pierre Sernet  Yumiko & Ana,2017

 「色彩とモノクロ」「直接と間接」「歴史と現代」―春画と写真の鮮やかなコントラストを描いた本展を鑑賞すると、作家や作品の個性がより際立ち、奥深いアートの世界に誘われていくようです。
 ピエール セルネ&春画
 会場:シャネル・ネクサス・ホール(中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階)
 会期:3月13日(水)~4月7日(日) 12:00~19:30 ※3月28日(木)は休館
 入場無料
 問い合わせは、TEL03-3779-4001


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