もはやこの号が駅に並ぶ頃には飽きちゃっているかもですが…(笑)。Clubhouse、みなさんやっていますか? このアプリ、まだまだiOS限定(2月現在)だけど。すごい勢いでユーザーが増えています。私は1月26日にダウンロードして比較的早くこのアプリを使い始めました。リアルに人に会いに行けない、この自粛期間中ならではのツールですね。
これを私は“耳のゴールデン街”と呼んでおります。新宿のゴールデン街は小さなスナックが密集してます。行きつけの店に行くと、ママが隣の人を紹介してくれて、話が盛り上がり、店を出たらほかの店に友人がいるのを見つけてジョインして…という具合に、いくつものおしゃべり部屋をホッピングする楽しさがある。出会いの連鎖が続いて気づいたら夜中の3時になっていた、みたいな。去年までは当たり前だった友人とおしゃべりする空間が、コロナによって閉ざされてしまった。そんな世界に突然現れた新しいSNSなんです。
当初、IT系の人が始めたこともあって、ルームの話題は「スタートアップ社長が語ります」的なゴリゴリトークが多かったのですが、最近ではゆるくつながっていることを楽しむルームも多くなってきました。村上隆さんが学生の質問にどんどん答えていくもの、海外のミュージシャンと日本のミュージシャンがつながってセッションが続いていくもの、とか。最近忘れていたエモーショナルな場面に出会うことが、このClubhouseの素晴らしさだと思います。
自分でもあちこちルームを覗いてみて、いろんな気づきがありました。いちばんには、声って意外と情報量が多い、ということです。Twitterは文字、Instagramは写真、TikTokは動画というように、それぞれのSNSによって使う認知の方法は違うけど、画面もなく、声だけなのに話している人のキャラが色濃く出るなーと思うのです。自己主張の強い声、キンキンと頭に響く声、ボソボソとなにを言っているのかわからない声。一方で癒やしの声、リーダーシップのある声、温まる声もあったり。声だけなのに人の本質があらわになるみたい。声も波長なので、意識する以前につながるべき人と声でつながるって、風の時代っぽいですね。
最近では#Clubhouse疲れ、なるワードも出てきて、そろそろ急成長期の後の第二段階になっているようです。とはいえ、使い方次第では、いろんな可能性があります。「あの、実花さんと直接話せるなんて!」。蜷川実花ちゃんと二人でお喋りしていたルームで、手が挙がった女の子の質問を受けたら、インスタでこうメンションされました。私たちにとっても10代、20代と出会えるきっかけは限られています。自分の部屋からいろんな人につながって、しかも運がよければしゃべれちゃう奇跡。年上と年下の世代がつながることはお互いにメリットがあるのです。20代の頃、先輩編集者に連れられて行った文壇バーで、有名な作家の人と話すきっかけがあってドキドキしたあの感覚。いまは各世代が分断して、その交流する場=Barがなくなりつつある。そこを埋めるように出てきたこの道具は、まさにコロナ時代にふさわしいですね。出会えなかった人に出会えること。まだまだ可能性はありそうです。
THIS MONTH'S CODE
#Clubhouse
創始者はローハン·セスとポール·デイビソン。録音・記録禁止、という基本ルールの中で、みんながフリートークできるというSNSサービス。招待制ということから人気に拍車が。
#ルーム
Clubhouse内のお喋り部屋。私も@sayumigunjiというアカウントでルームつくってますのでよかったらフォローしてね♡
#風の時代
2021年は占星術的に大きな節目とされています。これまでの物質的な世界の「土の時代」から、情報や目に見えないものの価値が高まる、と言われております。