「この世界に、春を連れてくるのは、あなただ。」新宿で見かけたルミネとニュウマンの大きな広告。いまの私たちの気持ちをそのまま表すこの言葉。まだマスクから完全に解放はされていないけど、行動制限がなく、ライブでも声を上げられるようになり、2019年以来、4年ぶりの自由な春です。
そして、ファッションもこの自由 を謳歌するようなトレンドが続々と登場しています。Y2Kスタイルを進化させるローライズデニム、カーゴパンツ、クロップドトップスなどなど。今年はより攻めたガールズスタイルがトレンド。
この「攻め」というところがポイントです。なによりも今シーズンのキーワードは「ボディ=体」です。ピタピタのミニ丈ワンピ、ヘソ出しトップスに、タイトなミニ。足元は厚底ブーツ。そう、あの時代の安室ちゃん、またはSPEEDのスタイルです。
この春はそんなボディコンなアイテムがたくさん登場。でも、そこは2023年。令和のボディコンは、バブル時代のそれとは違います。見せるべきボディはモデル体型だけではないのです。「ボディポジティブ」と言われる、どんな体型だって、自分を隠さずに見せていこう、という姿勢。ヘルシーさがあってこそのボディコンシャス。すべてはリアルな自分の体型を肯定するところから始まるのです。
さまざまな体型のモデルを起用したルミネとニュウマンの広告ビジュアルにも、そんな思いが詰まっているようです。最近パリコレでも、モデルは人種やジェンダーの多様性だけではなく、体型も年齢も幅広く起用することが増えました。すべての人が差別を受けず、コンプレックスを持つことなく「自由」を手に入れるということ。
そんなことを言っている私ではありますが、体を引き締めるために週1回ジムに通っています。その先生より、「無理なダイエットではなく、健康的な体をつくって、脳のパフォーマンスを上げるようにしましょう」とのお言葉。つまり体型とは本来、人それぞれのフォルムであって、鍛えるべきは体と頭をコネクトする力、ということ。これは座禅の先生から言われた言葉にもつながっています。まずは自分の体を知り、体の声を聞く。形のために無理をして心が病んではダメ、ということですね。ぽっちゃりでも痩せ型でも、いちばん大切なのは心なのですから。
韓国系ガールズグループのボディコン率の高さは、単に注目を集めるためではなく、 自分に自信がある「ガールクラッシュ」系ならではだと思います。
日本のコンサバファッションでは、体の線を出すなんて、というネガティブ思考がまだまだ根深いのとは対照的に、自分基準で服を選ぶ令和のヘルシーなボディコンはあくまで「自己肯定感」にほかならないのかも。
ちょっとむちむちだっていい、ぽこっとしているお腹もキュート。そう思えるような、明るいポジティブさって、やっぱり若いうちの宝物。背中がばっくり開いていたり、肩を露出したり、シースルーアイテムで肌みせもセクシーにしたり、と今年のボディ見せのバリエーションはたくさんあります。
まずは、鏡に映った自分を「かわいい!」と肯定して、今年の春こそ体型を隠さないファッションをしてみませんか?だって、こんな幸せな春は4年ぶりなんだから!Life is short。いまを楽しんでね!
THIS MONTH'S CODE
#カーゴパンツ
2000年代には《SLY》などがリリースしていたカーゴパンツ、懐かしい!クロップドトップスを合わせれば、今年の鉄板スタイルの出来上がり。
#安室ちゃん、またはSPEED
日本型Y2Kの見本はこのミューズたち。自分のママが、まんま安室ちゃんなスタイルをしていたギャル時代の写真を探すのも、Z世代の楽しみに。
#ガールクラッシュ
媚びない、女が惚れる女のスタイル。BLACKPINKをはじめ、最近ではIVEなど。とにかく彼女たちの「自分大好き」感が、世界中の女の子たちを鼓舞している。