【Fem Care Project 推進パートナー】
一般社団法人 女性の健康推進協会 代表 濵脇文子
野山に萌える新緑がまぶしい季節。
植物は、光を浴び光合成行うことで、私たちが生きるために不可欠な酸素をつくり出してくれています。そんな植物の恩恵である酸素をのびやかに吸い込みたいところですが、マスク生活が2年を超える今日この頃、皆さま健やかにお過ごしでしょうか。
生まれた瞬間から息を引き取るまで、人は一生のうち数えきれないほどの呼吸を行います。呼吸は、とても不思議な行為で、本人が意識しなくても、眠っている時でさえ、休むことなく行われています。緊張したら早くなったりします。自分の意識が及ばないこともあれば、自分で意識して早くすることや遅くすることも出来ます。ですので、呼吸は意識と無意識を行ったり来たり出来る行為だとも言えます。また、意識だけでなくその調整には自律神経が深く関わってきます。
自律神経とは、身体の働きを調整する神経のことで、交感神経と副交感神経の二つから成り立ちます。交感神経は身体の働きを促し、副交感神経は逆に休ませるといった役割を持ち、状況に応じてそれぞれが働くことで、身体を常にベストな状態にしようとしています。例えていうなら、交感神経は昼間の神経、日中仕事や活動を行う時に優位に働きます。片や、副交感神経は夜間の神経、リラックスする時や睡眠の時に優位に働きます。どちらが優れているというわけではなく、人にとって両方とも大切な神経であり、そのバランスが重要であると考えられています。
自律神経は自分の意志で動かすことはできないのですが、呼吸に関しては、吸う時は交感神経、吐く時は副交感神経に支配されているので、呼吸法で、ある程度コントロールすることができます。 例えば、吐く時間を吸う時間の何倍にも伸ばしてやることで、副交感神経を優位にすることができます。このように呼吸を変えることで、自分の意思でこころと身体にアクセスすることが出来ます。
呼吸を行う時、もう一つ重要となるのが横隔膜と骨盤底筋群です。横隔膜は胴体のほぼ真ん中にある、ドームのような形をした膜状の筋肉で、胴体を肺のある胸部と、腸などその他の臓器のある腹部に分けています。この横隔膜があることで、胸の部分で閉鎖した空間を作っています。息を吸うときにはこの膜が下がり、肺が膨らみ外界の空気が入ってきます。
息を吐くときは、それが元に戻ることにより肺の空気が押し戻されます。ですので、意識しなくても人は、呼吸をすることができるのです。この、横隔膜と連動して働くのが骨盤底筋群です。骨盤底筋群は、体幹の底にある筋群です。縁の下の力持ちといわれるこの筋群は、女性の健康と密接な関わりがあります。
骨盤底筋は、骨盤の底にあるハンモック状の筋肉で、子宮や膀胱、直腸などの大事な内臓を支えたり、排泄のコントロールを担ったりしています。現代の女性は、長時間のデスクワークや、下半身をあまり使わない便利な生活による運動不足など、骨盤底筋を弱らせる要因が増えています。骨盤底筋が衰えると、尿漏れなどの排泄トラブルやボディラインの崩れなどの症状が現れ、生活の質を著しく低下させてしまうことが有ります。また、骨盤底筋群はさまざまな筋肉と連動して動くため、鍛えることで姿勢の改善やスッキリとした下腹など、不快症状の改善に留まらず、女性にとって嬉しい効果が期待されます。
この骨盤底筋群を鍛えるために有効なトレーニングの一つが、腹式呼吸です。
呼吸の基本は、吐くことからはじまります。まずは、ゆっくりと口から息を吐き出します。息を吐き出せたら、今度は鼻から息を吸い込みます。これを5~10分くらいくりかえします。息を吐くときにおなかが凹み、息を入れたらおなかが膨らむよう意識して呼吸すると、より深い呼吸ができるようになります。とてもシンプルですが、こころと身体にとても良い影響を与えてくれます。
息(呼吸)が詰まると行き詰まる、息(呼吸)がぴったり合う。
日本語の中には、呼吸に関連する言葉が沢山あります。
呼吸を意識することは、自分のこころと身体にアクセスする近道かも知れませんね。
あなたは いま どんな呼吸をしていますか
【Fem Care Project 推進パートナー】
一般社団法人 女性の健康推進協会(ジョセケン)
2020年に設立された一般社団法人女性の健康推進協会(ジョセケン)が掲げるミッションは、「女性たちの心身や環境を想像(ソウゾウ)し、より良い健康を創造(ソウゾウ)する」こと。ジョセケンには、約300名の助産師が所属し、妊娠・出産・子育て支援のみならず、女性の生涯の健康の支援者として、働き方などを新しく見つめ直し、現代女性に寄り添いながらサポートすべく企業でのセミナー開催や、SNSでの発信などを行っている。
https://wha.jp.net/joseken
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代表理事 濵脇文子
助産師・看護師・保健師資格を持ち、ジョセケンの初代代表理事に就任。現在、お産や子育ての喜怒哀楽を、楽しく伝えるべく「お産楽語」にもチャレンジ中
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