女性の心と身体の「ケア」を考え、よりよい未来に繋げる「Fem Care Project」。本誌編集長・日下紗代子が、さまざまな人にお話を聞きながら、女性の健康課題や働き方について考えていきます。
タブーをオープンにする
先月号からスタートした「FemTalk」。2回目となる今回は、世界初のフェムテック専門ストアの運営などを行う、いまもっともフェムテックに詳しいスタートアップ企業「fermata ( フェルマータ)」のCOO近藤佳奈さんにお話を聞きました。
この一年でよく耳にするようになった「フェムテック」という言葉。femaleとtechnology。女性の健康課題を解決するための技術であり、そこから生まれたサービスやプロダクトを指す言葉でもあり、「フェムテック市場に注目!」なんて記事もよく目にする。吸水ショーツやセルフプレジャーアイテム、妊活アプリに更年期サポートのサービスなど、フェムテックという冠とともに世に出るものはたくさんあるけれど、じゃあ昔からある生理用品はフェムテックなのだろうか…? なんて疑問もあったりする。フェムテックの正体ってなんなのだろう? そんな率直な疑問を近藤さんにぶつけてみた。
「フェムテックは、実体のない言葉でもあるんです。投資マネーを集めるために、つくりだされた言葉という一面もあり、あやふやで当然。明確に定義づける必要もないと思っています。フェルマータのミッションは、世のなかを変えること。女性の健康課題に限らず、生きていてなんかモヤモヤするなとか、タブーとされている問題を解決したいんです。ただ、継続的に活動をし、たくさんの人を巻き込みながら社会を変えていくためには、ビジネス面でもきちんと成功する必要があります。だからいまはフェムテックという言葉を掲げているだけで、目指しているのは誰もが生きやすい社会の実現です」
タブーをオープンにし、課題を解決していく。社会を変えるフェルマータの活動は、ある種のデモであり、そのムーブメントを短期的に大きなものにするための装置として、フェムテックという言葉は意味を持っているのかもしれない。
フェムテックフェス開催!
フェルマータは、今年10月「Femtech Fes! 2021」を開催した。2年ぶり二回目の開催となるこのイベントには、初回の30社を大きく上回る157社が国内外から出展した。
「2019年9月の第1回は、まだフェムテックという言葉自体ほとんど知られていませんでした。だから来場者も新しいものに敏感で情報感度が高い人ばかり。でも今回は、吸水ショーツを初めて見るような方や、男性だけで来ている人もカップルもいて、フェムテックの認知度が高まっていることを感じました。女性の健康課題は、多岐にわたります。それを解決するためのテクノロジーや商品だけではなく、その背景にある人の想いについても知ってもらえたらなと思っています」
タブーとされてきた問題が、当たり前のように社会で議論でき、解決につながっていく。そんな社会になればフェムテックという言葉もいつか不要にもなるはず。その状態が理想だと、近藤さんは話してくれた。タブーはまだまだたくさんあるはず。日常にある
”我慢”や”モヤモヤ”をそのままにせず、オープンにしていくことが、より生きやすい未来へとつながるのかもしれない。

イベントのレポートはこちらから!
フェムテック先進企業「fermata」が開催する「Femtech Fes! 2021」は 来場者のココロも「ケア」する何から何まで素晴らしい“発見”と“刺激”の場だった《体験レポート》
《INTERVIEWEE》
あなたのタブーがワクワクに変わる日まで

〈about〉フェルマータ
2019年に設立された「fermata」が掲げるビジョンは「あなたのタブーがワクワクに変わる日まで」。女性のライフステージにまつわる課題はいまだタブー視される傾向にあるなか、世界初のフェムテック専門ストアの運営や、企業支援を手掛けるなど、女性の体にまつわる悩みや課題を共有し合える場を創出し、市場の成長に貢献していくことで、女性だけでなく、誰もが生きやすい世界を目指している。

fermata COO
近藤佳奈
1989年生まれ。2019年12月に、fermataへ参画し翌年7月に最高執行責任者(COO)就任。事業戦略、マーケティング、営業等を統括する。
メトロポリターナ編集長
日下紗代子
10月からメトロポリターナ新編集長として就任。風邪を引かないのが強みだが、自身の身体のケアには少しウトイ自覚あり。

Fem Care Project
「フェムケアプロジェクト」は、産経新聞社が主催する、女性の心と身体の「ケア」を考え、よりよい未来につなげるプロジェクト。女性特有の健康課題や働き方について情報発信をしながら考えていく。
