お風呂でのスキンケアを伝える連載の第2回は、お風呂上がりの急速な肌の乾燥を防ぐ、効果的な保湿ケア方法を紹介します。
入浴は、美肌に効果があるといわれています。でも、多くの人がお風呂上がりに肌のつっぱっりや、カサカサ感を感じたことがあるのではないでしょうか。この理由は、浴室を出ると急激なスピードで乾燥が始まり、やがて入浴前よりも水分量が低くなる「過乾燥」の状態に陥るからです。
入浴すると水分が浸透して各層が膨らむので潤った状態に見えますが、実は、皮脂やNMF(天然保湿因子)、角層細胞間脂質といった、本来肌に備わっている保湿物質が一時的に流出してしまい、肌の水分を保てなくなるのです。
温泉療法専門医で、入浴医学の第一人者である早坂信哉医師(東京都市大学教授)は今年7月、入浴前後の肌水分量を調べ、お風呂上がりに保湿ケアをすべき制限時間「保湿リミット」を科学的に解明しました。
実験では、20~40代の女性14人を対象に、入浴前後の肌水分量の変化を計測。その結果、出浴10分後までは入浴前より肌水分量が多く、その後、入浴前と同程度まで低下、さらに出浴30分後、出浴60分後と肌水分量が低下し、入浴前より低い数値になりました。
この実験で、“肌水分量が保たれているうちに保湿ケアをすべき”という皮膚科学の観点から、肌水分量が入浴前より高い「出浴10分後」が保湿すべき制限時間「保湿リミットは10分」であることが分かりました。