エア本屋の「いか文庫」。あたたかくなってきて、さてなにを着ようかな。
店主(以下 店):バイトいも、おつかれさまー。バイトいもには、私がテレビや雑誌に出るときに洋服のスタイリングをお願いしているけれど、そもそもなんでおしゃれ好きなの?
バイトいも(以下 いも):おつかれさまですー。そうね、スタイリングで雰囲気ががらりと変わったり、表情まで明るくなったりするのがおもしろいんだ。はじまりはオシャレな人への憧れかな。着てる服を真似したり。
店:なるほどな〜。憧れといえば、私は向田邦子さんかな。この本『向田邦子おしゃれの流儀』をめくっては、ウットリしてる。
いも:どんな流儀か気になる!
店:向田さんの身に着けていたものをテーマに、エッセイと写真がたくさん載っているのだけど、向田さん、20代の頃は黒い服ばかり着ていて「黒ちゃん」って呼ばれてたんだって。女学生のときから、自作したりもしていたそう。
いも:黒ちゃんって(笑)。若いときからファッションが好きな方だったんだね。
店:でも向田さん、30代からは、色物や柄物をよく身に着けるようになったんだって。流行モノも、自分の似合うものなら取り入れていたみたい。
いも:無理に合わせるんじゃなくて、あくまで自分が着たいものを選んでたんだね。素敵!私は最近、イギリス人の着物研究家シーラ・クリフさん『SHEILA KIMONOSTYLE』を読んだよ。
店:どんな本?
いも:彼女は20代の頃、友人に誘われて訪れた日本で、初めて着物を見るの。骨董市で売られていた長襦袢に魅了されて着物にハマり、数年後には日本に移住!そんな彼女の着物の自由な着こなしを紹介しているスタイルブックだよ。いまでは日本の大学で、着物文化を伝えるお仕事もされてるの。
店:移住!教授!すごい!
いも:着物ってなんとなく敷居が高くて特別なときにしか着ないイメージがあるけど、もっと自由に好きに組み合わせて楽しんでいいものなのよって教えてもらいました。
店:着物となにを合わせたりするの?
いも:ブーツやハット、小物は自分で工作したりと、発想が面白い!アンティークの着物をよく合わせていてね、柄も大正モダンが感じられるもの、その当時の日常が描かれたものなど、洒落たものがたくさん。眺めているだけでも面白いよ。
店:向田さんも上質で長く着れるものを選んでいたそうだけれど、アンティークもつまり、長く着られているから残っているわけだもんね。
いも:そうだね。イギリスの古いものほど価値を感じたり、大切にする感覚が根付いているのかも。
店:学んだことを、これからのスタイリングにもいかしてね!
いも:お任せあれ!