エア本屋の「いか文庫」。テレビだけじゃなくって、読書でもお笑い楽しもう!
バイトちゃん(以下 バ):シンチャオ、店主!
店主(以下 店):バイトちゃん、おつかれさま~。
バ:日本語を話すのが家のなか、家族とだけ、というベトナム生活なので、最近は無性に日本の言葉に触れたくなって、お笑い芸人さんの動画を見まくっています!
店:私もテレビでは芸人さんが出てる番組を見ることが多いな。声出して笑うと元気になれるしね。
バ:芸人さんのエッセイやお笑いがテーマの本も読んでるんですが、大前粟生さんの『おもろい以外いらんねん』という、とある若手お笑いコンビの結成から解散までを描いた小説がよかったです。
店:タイトルからして気になる!
バ:コンビをそばで見守ってきた同級生の視点から、活躍の裏側が語られていくんですけどね。これを読んで、芸人さんたちはみんなどんな道のりを歩んできたのかな?って興味が湧いてきました。
店:本人たちからじゃなく、同級生が見た姿っていうのが面白いね。
バ:お笑いにおける外見いじりやジェンダーもテーマになっていて、“人を傷つけない笑い”についても考えさせられます。
店:なるほどな~。見ている私たちも、昔は気にしなかったであろうことに、最近は「あれ?」って思うことあるもんね。昔のほうが面白かったという意味ではなく。
バ:敏感になってますよね。
店:実は私も最近、芸人さんのエッセイを読んだんだよね。
バ:おぉ!誰のですか?
店:光浦靖子さんの『50歳になりまして』というエッセイで、去年の春にカナダ留学に旅立つ予定が、直前にコロナが流行し始めて行けなくなった話から始まるの。
バ:ご活躍されているのに留学?
店:40代になって仕事がゆるりと減り始めてきたのをきっかけに決めたみたい。もちろんほかにもいくつか理由があるんだけどね。あと、コロナ禍で変わった仕事や生活のこと、50代になって起こった変化とかを、たまに自分ツッコミを入れつつ書かれているんだ。
バ:テレビで見る光浦さんは、泣いたり、怒ったりの感受性がほかの人の倍豊かで、その姿に思わず笑ってしまうこともあります。
店:確かに(笑)。光浦さんってネガティブ思考なイメージだったんだけど、でもじつはそんなことなくて、むしろ一周回って、ポジティブになってる!って話が多くてね。
バ:そうなんだ!
店:自分の弱いところをサラッとさらけ出しているから、あ、私も自分の弱さを認めていいんだなって、元気が出たよ。年齢を重ねることも楽しみになってきた。
バ:芸人さんのものごとの捉え方のセンスのよさって、本だとより輝きますよね。今日も夜更かしして、動画に本に楽しもうっと!