本の町というイメージが強い神保町。しかし、実は個性豊かな雑貨屋の集まるエリアでもあります。思わずクスっと噴き出しちゃう遊び心のある雑貨、異国情緒漂うアクセサリー、歴史を感じさせるアンティーク…。そんな神保町の個性的な雑貨屋5店を紹介します。
突然ですが皆さん、「活版印刷」ってご存じですか? 金属製や樹脂製の活字を並べた版を作り、塗料を塗って印刷する技術で、紙に残る凸凹の面白み、インクのかすれなど、独特の風合いが魅力です。神保町エリアの個性的な雑貨店を特集する「神保町雑貨屋帖」第2弾は、広告デザイン会社「TRACK(トラック)」が2017年11月にオープンしたデザインストア「PRIMART(プライマート)」。活版印刷の風合いを生かした雑貨や活版印刷体験が楽しめるお店です。
シアンブルーの壁が目を引く、フランスのブティックのようなおしゃれな外観のお店ですが、中に入ると、コンクリートの打ちっ放しの壁とシンプルな什器が並ぶ〝男前〟な雰囲気で、ギャップにちょっと驚かされます。奥に鎮座する、年季の入った3台のテキン(手動式活版印刷機)が店内のファクトリー感を増しています。
それもそのはず。プライマートは「トラック」のクリエイターたちが自らテキンを使って作品を生み出している〝工房〟でもあるのです。店内には、活版印刷で製作された、メッセージカードやミニ封筒、コースターなどがずらり。本好きの集まる町・神保町らしく、ブックカバーやしおりなどもあります。神保町の本屋で働く「書店ねこ」とカレー屋で働く「カレー屋ねこ」の2匹は、ちょっとふてぶてしい笑顔がなんともいえず愛らしい、プライマートの〝看板ねこ〟。すべてトラックのクリエイターがデザインしたキャラクターで、図案を樹脂板に加工し、1枚1枚、店内にあるテキンで製作しています。試作のミニカードなどをお値打ち価格で販売していることもあるそうですよ。
活版印刷好きにぜひおすすめしたいのが、「LITTLE STORAGE BOX」。かつて活版印刷が盛んだったころ、書籍の飾り罫線などに使われていた草木などの模様をした飾り文字「花形活字」をモチーフにデザインした小物入れです。雪の結晶のような活字や、チョウチョウのような活字、クローバーのような活字など、さまざまな花形活字がモノグラムパターン風にデザインされていて、いつまでも見ていられそう。SSサイズからLサイズまでバリエーション豊富で、アクセサリーをしまったりカード類をしまったり、組み合わせて使うこともできます。同じデザインのくるみボタンもありますよ。