コーヒー界のニューウェーブ2022(ディタンニン&モールドフリー編)


編集部が“いま気になること”を紹介している「気ままにメトロポリターナ」。前編に続いて後編では、コーヒーに科学の力をかけ合わせて生まれたユニークなコーヒーブランドをご紹介。期間限定で10月までオープンしているポップアップカフェの紹介とともに、コーヒーのおいしさと開発の真相に迫ります!

虎へび珈琲

ある日渋谷を歩いていて見つけた、暖簾がかかったお店。気になって入ってみると、暖簾をくぐった先はモダンな佇まいのコーヒーショップでした。頼んでみようとメニューを見ると、コーヒーの種類の前には「モールドフリー」の文字が。その意味が気になり、店員さんに尋ねてみると、科学技術を駆使した、より健康的で安心して飲めるコーヒーであることを知りびっくり! コーヒー好きといえど聞いたことのなかった「モールドフリー」。その開発の経緯を知るべく、「虎へび珈琲」の焙煎士・今井惇人さんに話を伺いました。

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タンニンとカビ毒の処理をした豆を焙煎している様子
写真提供/虎へび珈琲

今井さんは、もともとウイルスの研究をしていた科学者。自身の研究を進めていくうちに、コーヒーにまつわる論文に触れたことがきっかけで、この世界にのめり込んだそうです。「コーヒーを飲んで不調になるのはカフェインのせいというイメージがありますが、ほかにもなにか原因があるのではないかと気づいたんです」。今井さんによると、世に出回っている豆のなかには、カビ毒が付着したまま出回っているものもあるそう。そこで今井さんは、研究によってコーヒーの渋みやえぐみの元となるタンニンとカビ毒を除去する独自の技術を開発。除去技術の際の水の温度や調節した超音波を使うことで、薬品に頼ることなく、ディタンニン&モールド(カビ毒)フリーのコーヒー豆をつくることに成功しました。

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(手前)「焼き菓子虎へび(1個)」300円 (奥)モールドフリーライトブレンド(アイス)750円

安心して飲めるコーヒーであることはわかったものの、果たしてその味は? 渋谷パルコに期間限定でオープンしているポップアップカフェ「たちうり珈琲虎へび屋」で、早速おすすめの浅煎りのコーヒーを飲んでみると、苦味が少なくすっきりとした酸味で、フルーティーな味わい。喉が渇いているときにゴクゴク飲んでも、おやつと一緒にゆっくり味わっても楽しめるおいしさでした。ポップアップ限定で販売している焼き菓子は、ディカフェブレンドのパウダー入りのホワイトチョコレートがサンドされたクッキー。こちらもコーヒーと相性抜群なので、ぜひ合わせて食べてみてください!

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コーヒー豆のパッケージはお守りをイメージしたもの。店名のとおり、虎とへびがプリントされ、贈りものにも喜ばれそうです。

これまで実店舗を持たずに、ECサイトでの豆の販売をメインにしてきた虎へび珈琲。そこには、“豆の品質を丁寧に伝えたい”という今井さんの思いが込められています。「日本ではおそらく僕たちだけであろう、安心して飲んでいただけるディタンニン&モールドフリーのコーヒーづくりの取り組みを、もっと多くの方に知ってもらいたい。だから、こうしたポップアップでまずは虎へび珈琲のコーヒーを試していただき、使っている豆へのこだわりを知ってもらえるようにしているんです」。ほかにも、スーパーフードと言われるビーツのパウダーで豆を包んだオリジナルブレンドや、独自の加工技術によってさらに深いコクとなめらかな質感が楽しめる、今井さんおすすめのエイジドブレンドなど、ここならではの豆が充実しているのも、虎へび珈琲の魅力。そのすべてに、今井さんのこだわりと技術がいきています。よりおいしくウェルネスな新しいコーヒーを、ぜひ飲んでみてください!


TORAHEBI COFFEE

https://www.instagram.com/torahebi.jp

虎へび珈琲ポップアップカフェ

「たちうり珈琲虎へび屋」

会場:渋谷パルコ 1F(渋谷区宇田川町15-1)

開催期間:10月30日(日)まで

営業時間:11:00〜20:00

休館日:施設に準ずる


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