東京メトロ沿線で見つけたことを、編集部が気ままに紹介する「気ままにメトロポリターナ」。今回は、本誌3月号で特集した街のひとつ、下北沢にある台湾料理のお店をご紹介します。台湾ではおなじみのあの料理を楽しみながら、その食文化に触れてきました。
下北沢/大浪漫商店
皆さん、小田急沿線の住みやすい街を紹介した3月号の特集はいかがでしたか? 特集内の「下北沢」を取材したページでは、新しくできた施設「ボーナストラック」も紹介しています。なかでも私がとくに気になったのは、台湾のソウルフードである魯肉飯(ルーローハン)の専門店「大浪漫商店」。誌面ではご紹介できなかったのですが、旅行好き&多国籍料理好きの私としては、行かないわけにはいかない! ということで再び下北沢へ。台湾のグルメを堪能してきました。

実はこちら、台湾と東京でライブハウスも運営する音楽レーベル「BIG ROMANTIC RECORDS」が手がけるお店。オープンの経緯について、代表の寺尾ブッタさんは次のように話してくれました。「これまでは、ライブハウスを通じて台湾の音楽を発信してきましたが、もっと気軽に立ち寄れる場所がつくりたかったんです。台湾が好きな人にもそうでない人にも、長く愛されるお店を目指してはじめました」。看板メニューの魯肉飯だけではなく、台湾アーティストのCDやオリジナルグッズなども販売。台湾文化がぎゅっとつまった店内は、まるで台湾に来たかのようなローカルな雰囲気が心地よい空間です。

魯肉飯は、スタンダードと麻辣(マーラー)の2種類。スパイス香る甘辛なスタンダード魯肉飯と、花椒(ホアジャオ)が効いたしびれる辛さの麻辣魯肉飯は、どちらもクセになる美味しさです。私は、欲ばって「あいがけ魯肉飯」を注文。甘辛とシビ辛を交互に食べていくと、あっという間に食べ終えてしまいます。台湾では、トッピングを加えるなどして、自分好みにアレンジした魯肉飯を食べるのが一般的とのこと。「大浪漫商店」では、日本人の口にあうよう、本場のものよりも油っぽさをおさえた独自の方法で調理。野菜や香の物などが最初からトッピングされていて、そのまま本場の魯肉飯の味が楽しめるように工夫されています。

魯肉飯のおともに選んだのは、寺尾さんおすすめの「酸梅(サンメイ)ソーダ」。「酸梅」とは、梅でつくったジュースのことで、中国圏のコンビニなどでも販売されているポピュラーな飲みものです。甘酸っぱい梅の味と鼻から抜けるスモーキーな香りが、暖かなこの季節になんともぴったり! ほかにも、台湾烏龍茶や台湾ウイスキーなど、台湾ならではのドリンクが充実しています。さらに私が気になったのは、台湾のクラフトビール。「大浪漫商店」で扱うクラフトビールの魅力は、美味しさだけではないんです。

こちらで販売されているクラフトビールは、台湾のメーカー「アルケミスト」のもの。材料には台湾産の農作物を積極的に使用しており、瓶にはその使用割合が明記されています。こうした生産背景を大切にした商品を揃えていることからも、「大浪漫商店」の台湾への愛を感じます。パイナップルを使ったIPAは、フルーティであっさりとした味わい。ビール独特の苦味が苦手な方でも飲みやすい口あたりです。お店のメニューはすべてテイクアウトとデリバリーにも対応。ぜひ、自宅でも台湾の味を楽しんでみてください。
DAIROMANSHOUTEN
世田谷区代田2-36-14 下北沢BONUS TRACK内
[営]11:00〜23:00 ※当面の間は短縮営業
[休]無休