銭湯をリノベーションした、アーティストの秘密基地
閑静な住宅街のなか、ひっそりと佇む宮造りの建物。一見なんの変哲もない街の銭湯に見えるが、入り口には「四谷未確認スタジオ」と、控えめな刺繍文字の入った暖簾がかかる。その先に広がるのは、脱衣場と大浴場の仕切りを活かして、ギャラリー、制作スタジオ、サロンと、3つの機能をもつスペースとなるユニークな空間だ。
昨年6月にオープンしたこの場所は、東京藝術大学の学生兼若手作家たちがつくりあげたアートスタジオ。もともと銭湯だった場所を自らの手で改修し、アーティストとお客さんが気軽に交流できる場として、アトリエと展示空間、作家と来場者がつながるサロンスペースが、ゆるやかに同居する空間を目指したという。そうした思いもあって、展示期間中は常にアーティストが滞在する。かつて銭湯であった場所の個性が随所に残る手づくりの空間は、なんだか秘密基地のようでもあり、何度も通いたくなる居心地のよさがある。
脱衣場のロッカーは、美術関連の書籍を収納する本棚として活用。図書室としての役割も目指す
ギャラリーでは、若手作家を中心に毎月作品展を開催。ほかにも映像上映や、舞台、トークイベントなどの企画も実験的に行う。銭湯ならではの吹き抜けの格子天井が、開放的な展示空間を生み出している
制作スタジオは現在6名の作家が利用中
脱衣場の一角を活用したサロンスペース。訪れた人が作家とゆっくり会話を楽しめる空間になっている
剥がれかけの富士山のペンキ絵が残る大浴場のスペースは、アーティストの作品制作のための場に
「四谷未確認スタジオ」 主宰
黒坂 祐さん

「アーティストの秘密基地に遊びに行くような感覚で、気軽に足を運んでもらいたいです!」
EXHIBITION INFO_
都築拓磨 個展『ソトノセカイヘ』
会期 : 2月11日(月)まで
[営]14:00~20:00
[入場料]500円(税込)
YOTSUYA MIKAKUNIN STUDIO
新宿区四谷 4-1 3-1
※アーティストの制作スタジオは会員のみ観覧可。
詳細については、直接スタジオに問い合わせを
http://busunit.jp