「イッキ見」したい、映画とドラマ[小さな幸せ]


《不穏な世界に没入、映画監督が手がけたドラマシリーズ》

『ベルリン・アレクサンダー広場』

ナチスの台頭を予感させる、一人の男の暴力と愛にまみれた受難劇

 不況真っ只中の戦前ベルリンを舞台にした、卑小で凡庸な労働者フランツ・ビーバーコップの受難劇。ただ平凡な人生を望んだが故に、暴力と悪の道に流されていく男の視線を通して、迫りくるナチズムと戦争への予感を感じさせるこのドラマは、いまの日本の空気と奇妙なほど一致する。

metro216_sp6_06.jpg©Rainer Werner Fassbinder Foundation

1920年代、第二次世界大戦前のベルリンを舞台に、ファスビンダー監督が1979〜80年に製作した、全14話の長大なドラマ作品。

監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー 
出演:ギュンター・ランプレヒト、ハンナ・シグラ、エリーザベト・トリッセナー
4月中旬、ゲーテ・インスティトゥート東京にて全話上映予定

 

『マインドハンター』

不穏な闇に誰もが魅せられる、陰鬱なサイコスリラー

 実在した凶悪殺人鬼の名が次々に登場するこのドラマには、常に不穏な影が張り付いている。そしてその影は、犯罪者たちから情報を引き出そうとはりきるFB I 捜査官たち自身に襲いかかる。何かが起こりそうな予感に魅せられながら、気づけば私たちも陰鬱な闇のなかに引き込まれている。

metro216_sp6_07.jpg1970年代後半、犯罪者の心理研究に乗り出したFBI捜査官たちの姿を追うサイコスリラー。製作総指揮はデヴィッド・フィンチャー監督。

製作総指揮:デヴィッド・フィンチャーほか 
出演:ジョナサン・グロフ、ホルト・マッキャラニー、アナ・トーヴ
Netflixオリジナルシリーズ『マインドハンター』シーズン1~2独占配信中

 

『呪怨:呪いの家』

不穏さと禍々しさに貫かれた、大人気ホラーシリーズ最新作

 ホラー映画は、恐怖描写が過剰になるほどどこかコメディチックになるもの。だが『呪怨:呪いの家』には、ただ不穏さと禍々しさしかない。1988〜97年の東京を舞台に描かれる、呪いの家をめぐる恐ろしき物語。この恐怖を突き詰めた先に、私たちが生きる現実の残酷さ、おぞましさが見えてくる。

metro216_sp6_08.jpg大ヒットホラー映画『呪怨』シリーズ最新作。『リング』の脚本家・高橋洋が脚本を、今注目の新鋭監督・三宅唱が演出を手がけた。

監督:三宅唱 出演:荒川良々、黒島結菜、里々佳
Netflixオリジナルシリーズ『呪怨:呪いの家』全世界独占配信中


《番外編:映画のように楽しめるドラマ作品》

『ブラック・ミラー』

1話だけ見るのもよし、独特の世界観から成るSFドラマ

 「イッキ見」だけが配信ドラマの楽しみ方じゃない。1話ごとに出演者も監督も様変わりするオムニバス形式のこのドラマは、好きな回を自由に見られるのがうれしい。映画を見るようにそれぞれの世界観をじっくり楽しんでもよし。ちなみにシーズン3第4話「サン・ジュニペロ」は傑作回。

metro216_sp6_09.jpg近未来を舞台にした、オムニバス形式のイギリス製SFドラマ。2018年に製作されたインタラクティブ映画『ブラック・ミラー バンダースナッチ』も話題に。

製作総指揮:チャーリー・ブルッカー、アナベル・ジョーンズ 
出演:ジェシー・プレイモス、ブライス・ダラス・ハワード
Netflixオリジナルシリーズ
『ブラック・ミラー』シーズン1~5独占配信中


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