日頃から、多くの小説に触れているのが、書店員。ここでは、小説を愛する書店員4名による旅気分を味わえる一冊を紹介してもらう。
本屋 B&B文芸・詩歌棚担当 松井 亜衣さんが選ぶ
『空港時光』
著:温又柔 河出書房新社 1650円
次に台湾にいったとき、この小説の記憶が蘇るはず。
「空港という場所を行き来する人々にはそれぞれの目的地があり、帰る場所がある。日本と台湾。身近に感じるそれぞれの国同士には、観光地を見ても、ご当地グルメを食べても、知り尽くすことのできない歴史と、そこに生活する人々の物語があります。次、台湾に行けるのはいつだろうか。行けたとき、ふと耳にする言葉がどのように聞こえてくるのか…。きっとこの本を読む前と後では変わっているに違いありません」
《Story》
一枚の封筒の住所を手がかりに日本人の父を探しにいく青年、子供のときに聞いた「鳳梨酥」という言葉の響き、台湾語と日本語を話していた祖父との思い出…。台北と羽田を行き来する10の物語。
HONYA B&B
世田谷区代田2-36-15 BONUS TRACK 2F
Tel. 03-6450-8272
[営]11:00〜20:00
※営業時間に変動あり。HPにて確認を
[休]不定休
http://bookandbeer.com
《Comment》
「この本の隣にどの本を置いたら面白いか」という視点で、判型や著者名順などにとらわれず、次の文脈が生まれるような棚づくりを意識しています。気になる本だけでなく、その周囲にある本にも手を伸ばしてみてください!