ホルモンの波を理解して東洋医学的ケア[フェムテックを、もっと!]


ただいま配信中!
「フェムテックを、もっと!」

 3月8日の「国際女性デー」に合わせて、フェムケアプロジェクトがオンラインイベントを2日間にわたって開催!1日目は「心と体の基本」、2日目は「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」をテーマに、9つのトークセッションを行った。今月号では、そのハイライトを誌面で紹介する。心と体のケアについて、もっと知ろう。周囲と話し、一緒に考え、気づいたことをもっと伝えていこう。そうして、家庭でも職場でも、一緒になってこのムーブメントを育んでいきたい。たくさんの人の意識が変われば、社会はきっと良くなるはず。その一歩を、このイベントで踏み出してみよう。


Talk Session
池田裕美枝×三原勇希

20代からのセルフケア
「PMS」×「漢方」の相性がいい理由

Supported by ツムラ

さまざまな不調を隠して生活している女性は、意外と多いもの。心身ともに健やかであるために、東洋医学を取り入れてみるのもいいかもしれない。セルフケアの質を上げるために必要な考え方を、池田裕美枝先生が伝授!

 

月経前のつらい症状には
漢方による体質改善を!

 このセッションでは、女性特有の健康課題であるPMS(月経前症候群)を漢方でケアする方法について、タレントの三原勇希さんが聞き手となって産婦人科医の池田裕美枝先生が解説した。

metro241_special_02_1.jpg

 PMSとは月経前に始まり、月経開始と同時に治まる心や体の不調のことだ。その原因としては、排卵から月経までの間に増加する女性ホルモン、プロゲステロンの血中濃度が影響している。症状には、胸のはり、眠気、疲れやすさなどの「体の症状」、イライラ、抑うつなどの「心の症状」、集中できない、効率の低下などの「社会的な行動の症状」がある。

 「体調が悪いから休ませてと言える人もいれば、言えずに我慢してしまう人もいます。日本には和を貴ぶ文化があるので我慢する人が多いのかもしれません。また、イライラが人間関係に影響して、自分を責めてしまう方も。PMSは毎月繰り返すので我慢しないでケアしましょう」と池田先生。

 PMSはホルモンバランスの乱れによって起きると思われがちだが、卵巣が元気できちんとホルモンを分泌しているから起こるものだとも言える。そのため検査では異常を見つけられず、患者さんがつけた症状記録と月経周期との関連をみて診断する。症状記録によって、症状を言語化し、その度合いを数値化すること(認知療法)によって安心でき、心の症状が和らぐ場合もあるという。

 PMSでは体質的に弱い部分が悪化することも多いため、症状の緩和には体質改善も役立つ。たとえば月経前にむくみやすい人は、むくみにくいように筋肉をつけておくなど、普段から体質の底上げを行っておくといいということだ。

 「体質改善のために漢方薬を用いることもあります。漢方薬は気軽に使えて、病名がつかないようなちょっとした不調もケアできるのがいいところです」と池田先生。東洋医学では、からだは気(元気の気)、血(血と栄養)、水(血以外の水分)の要素で成り立っており、この3つがバランスよく巡っている場合を「元気」な状態ととらえる。月経前には気や血が減って巡りにくくなり、水は増えてむくみがちに。胃腸の調子が悪いと水の巡りも悪くなり、PMSの症状も悪化しやすいと考える。

 「東洋医学の考え方で症状を見て、患者さんと一緒に原因を考えることもあります。東洋医学と西洋医学で足りない部分を補完しあえたらいいのではないかと思っています」

 セッションでは日常的な漢方薬の活用方法についても紹介。PMSに悩む人は、ぜひアーカイブ視聴でケア方法をチェックしてみてほしい。

 

写真右)
池田裕美枝先生
産婦人科医。NPO法人女性医療ネットワーク副理事長。ソーシャルワークプラットフォーム「KYOTO SCOPE」事務局代表。京都大学医学部卒業。現在、産婦人科で外来を担当しつつ、京都大学大学院博士課程にて、女性の社会的孤立や月経前症候群による社会的インパクトなどを研究中。

写真左)
タレント 三原勇希さん


Question

株式会社ツムラ「隠れ我慢実態調査」

《不調を我慢して家事や仕事をしてる?》

metro241_special_02_3.png

調査:株式会社ツムラ 
調査手法:インターネット調査
調査期間:2021年1月16日〜18日
調査対象:
①全国の20代〜50代女性1万人(人口構成比に基づく)
②心身の不調があっても、いつも通り家事や仕事を行っている20代〜50代女性1000人(年代別に250人ずつ)
 

《感じても我慢する不調TOP10》

全体(n=1,000)(複数回答)
1位 疲れ・だるさ 23.8%
2位 イライラ感 16.2%
3位 不安感 15.6%
4位 PMS 13.7%
5位 寝つきにくい・目覚めが悪い・眠りが浅い・不眠 11.6%
6位 冷え 11.3%
7位 頭痛 11.2%
8位 生理痛・生理不順・生理前後の腹痛 11.0%
9位 言葉にしにくい不調 10.9%
10位 便秘 10.7%

女性が感じている不調には、本人もPMSと気づかないまま放置しているものも含まれていると考えられる。「月経のある女性の8〜9割が月経前に何かしらの症状があり、そのうち3割ほどが日常生活に影響があって病院での治療対象になっています」(池田先生)


metro241_special_02_2.png

池田裕美枝監修


国際女性デー×フェムケアプロジェクト
フェムテックを、もっと!
家庭や職場でココロとカラダを学ぶ2DAYS

イベントはTwitterLiveで配信中
詳しくは下記をチェック!
https://www.sankei.com/special/femcareproject/event/2023-mar/?utm_source=metro&utm_medium=qrcode&utm_campaign=metro202303

「#フェムテックをもっと」をつけた投稿で、一緒にイベントを盛り上げよう!

present
試聴するとプレゼントが当たる!

イベントの各セッション内の最後に発表されるキーワードを入力すると、抽選でプレゼントが当たる。何が当たるかは、届くまでのお楽しみ。イベントと合わせてチェックしてみよう!

応募締切:4月9日(日) 23:59


metro224_fem_01.png

フェムケアプロジェクトとは

トロポリターナを発行する産経新聞社が2021年10月に立ち上げた、女性特有の健康課題や働き方に関する情報発信を通じて、相互理解を目指すことをビジョンに掲げたプロジェクト。


LATEST POSTS