路地を巡り、暮らしの豊かさに出会う[奈良ならではの15のこと]


5.路地を巡り、暮らしの豊かさに出会う

鹿猿狐ビルヂング

本当に欲しい“奈良土産”を探すなら断然ここ!
 餅飯殿センター街と猿沢池の間。「ならまち元林院」と呼ばれるこの地区は、入り組んだ細い路地の両脇に昔ながらの町家が並び、まるで迷路のようで、歩いているだけでもワクワクする。この地で奈良晒商として1716年に創業した中川政七商店が、2021年にオープンしたのが「鹿猿狐ビルヂング」だ。ネーミングは、中川政七商店のトレードマークである“鹿”と、猿田彦珈琲の“猿”、東京・代々木の一つ星レストランによるすき焼き店、㐂つねの“狐”を組み合わせたもの。ショップとカフェ、レストラン、そしてコワーキングスペースなどが組み合わされた、新しいスタイルの複合ビルだ。1、2階にある「中川政七商店 奈良本店」には、同ブランドを代表する「かや織ふきん」をはじめ、奈良の工芸や特産品を用いた新しい“奈良土産”や作家ものの作品に加えて、中川政七商店が受け継いできた手績み手織りの麻布で好みのタペストリーや座布団などがオーダーできる「おあつらえ処」も。同店が運営する「茶論」では、近隣の和菓子の名店「樫舎」の生菓子と薄茶(1100円)や濃茶(2200円)のセットや、「自点て」(2200円)のセットも。とくに、通常はお茶会などでしか味わうことができない濃茶がカフェスタイルで楽しめるのは珍しいので、ぜひトライしたい。

 長い歴史の先にある、奈良の現在地。欲しいものや味わいたいものが多すぎてつい長居してしまうので、そのつもりで予定を組もう。

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中川家所蔵の美術品や家具が置かれた「茶論」店内。掘りごたつ式10席、座敷16席。

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タイミングが合えば、西 優太廊店長が目の前でお点前を披露してくれる。

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奈良の作家の作品から生活道具まで、さまざまな欲しいモノであふれている店内。

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陶製人形の中のおみくじには元気になれるメッセージが。鹿猿狐みくじ550円。

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築130年の町家と新築を組み合わせ、町並みに溶け込ませた設計は、建築家の内藤廣氏によるもの。

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奈良本店限定のかや織ふきん 鹿猿狐550円。


SHIKA SARU KITSUNE BUILDING

奈良県奈良市元林院町22
近鉄奈良駅から徒歩約7分、JR奈良駅から徒歩約15分
[営]中川政七商店 奈良本店 10:00〜19:00
茶論奈良町店 10:00〜19:00(L.O.18:30)
[休]無休
https://nakagawa-masashichi.jp/shikasarukitsune


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