宮本さんがD.S.とDURGAの2人に出会ったのは2008年頃。当時はいまほど注目されていなかったニューヨークのブルックリンでスタートした《D.S.&DURGA》は、2021年2店舗目となるショップをブルックリンにオープンした

香りとジェンダー《オギノマ》


ブルックリンで生まれたハンドメイドのパフュームブランド。独創的なその香りは、個性が尊重されるいまの時代にこそ、大きな花を咲かせてくれそうです。

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小木:今月は、ヒーリングワークスの宮本紀雪さんがゲストです!ヒーリングワークスは海外のコスメブランドなどを日本に紹介している会社ですが、今日はNYのハンドメイドパフュームブランド《DS&DURGA》についてお話を聞かせてください。このブランドが始まったのは、10年以上前でしたっけ?

宮本:2007年ですね。ミュージシャンである夫のD・S・と建築家である妻のDURGAという、夫婦2人でスタートしたブランドです。初期の頃はブルックリンの倉庫で香水を手づくりしていて、その辺で買ってきたようなボトルに自家製のラベルを貼って、ロットナンバーも手書きでしたね(笑)。

小木:ヴィーガン処方というのも特徴の一つだと思うけど、なによりも香りの世界観が独特ですよね。なんというか、とても深いです。

宮本:たとえばローズの香水は、乾いた潮風を感じさせるものだし、フローラル系でも、ふわふわとしたわかりやすいフェミニンさはないですね。DSはもともとミュージシャンなので、香水と音楽をセットで提案したりもしています。香りだけではなく、プレゼンテーションも含めて、独自の世界観を持っているブランドなんです。

小木:面白いなぁ!

宮本:確かにユニークですが、かなりマニアックなブランドとも言えるんです。だから日本では、受けないって言われていて、実際、最初の頃は全然だめでした(笑)。

小木:でも、最近は勢いが出てきたなと感じます。

宮本:そうなんです。家にいる時間が長くなって、部屋での楽しみや気分転換の方法を探している人が増えたこともあって、とくにキャンドルはいますごい人気です。

小木:《DS&DURGA》の香りって、世界観がしっかりしているから、嗅ぐと別世界にトリップできるような感覚になるんだろうな。

宮本:そうかもしれませんね。

小木:最近、香水の楽しみ方が自由になってきていると感じるんですよね。以前はもっと”モテ”みたいなことを意識して、香りを選んでいた気がするけれど、最近は自分が好きかどうかが重要になってきているというか。

宮本:それは感じますね。以前は、その香水が男性用なのか、女性用なのかお客さんにもよく聞かれていたんですが、その質問はすごく減りました。

小木:ローズ系を男性が使ってもいいし、重めのウッディな香りが好きな女性だって当然いますよね。香りとジェンダーを結びつけることは、ちょっと時代遅れ感があるなと感じています。

宮本:だからブランドとしては、これは男性用とか女性用という提案もしていません。NYでは、お客さまからも聞かれないし、ユニセックスとかジェンダーレスという言葉ですら使いませんね。

小木:”個”を尊重する社会ですよね。だからその個性に対して、なにかを言うことはハラスメントにもつながるし、香りもファッションも髪の色も、タトゥーだって、個人が自由に好きなものを選び、楽しめる時代になってきていると思います。

宮本:だから、《DS&DURGA》のような独創的な香りも、人々が選べるようになってきたのかもしれません。

小木:個性の数だけ、香りの選択肢もあっていいはずです。宮本さん、新しい香りが届いたらまた紹介してください。今日はありがとうございました!

《THIS MONTH GUEST》

ヒーリングワークス
宮本 紀雪さん

NY留学から帰国後、家業のマッサージエステサロンを引き継ぎ、創業10周年を機に化粧品輸入事業もスタート。留学時代のネットワークを生かし、《サラハップ》や《DS&DURGA》、《HENNE ORGANICS》、《BARE BEAR》といったブランドを日本に紹介する。


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D.S.&DURGA

ブランドのルーツの地である、ブルックリンの名を冠したキャンドル。公式サイトでは、ライナーノーツとspotifyのプレイリストもあり。「ワイルドブルックリンラベンダー」9680円






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