illustration: Yu Fukagawa text: 千代里

“うっかりうらやましがり”にご注意!《お多福美人講座》


 「隣の芝生は青い」と言いますが、うかつに人をうらやましがるのはもったいないと気づいたことがありました。学生時代、ある男性に結婚当初のお話を伺ったときのこと。陽気で仕事もできるその方は、奥様以外に常に彼女がいたそうです。彼女と夕食をとるのが日課とは知らず、奥様はいつもごはんをつくって待っていたそう。「一晩に二度も食べたくない」という理由で、奥様に対してここには書けないようなことを思っていたと、明るく話されていました。結婚に夢も希望も持っていた当時の私は大ショック…。ところが後年、その方がいかに奥様を大切にしているかを語っていると知ったのです。どの口が言う‼(笑)。この話を聞いた多くの女性が「いいわね~。こんなに大事にされて、お金もあって。それに比べてうちなんか…」と思ったであろうことを考えると、「その”うらやましい”はムダ‼」と思わずにはいられませんでした。その男性は率直な方なので、老年期を迎えてからは、本当に奥様を大切にされているのだと思います。財力があって奥様思いになったのは事実でも、過去にどんなことを思っていたかまではわかりません。もしそれも含めて知ったら、うらやましいどころか、「うちのほうがマシ」と思う人も多いはずです。

 ちなみに、私が登壇する講演の後の懇親会では、奥様のことを絶賛する男性がとても多いのですが、それを直接奥様に伝えたことがないという方が大多数。「うちの夫は絶対に私を褒めない」とおっしゃる女性のパートナーが、よそではすごく褒めていて、それを聞いたほかの女性が「私は褒められたことなんかない」と落ち込む、でもじつは…という連鎖がしばしば見られます。目に見えることなんてほんの一部。錯覚で自分をみじめに感じるなんてもったいない! 誰かをうらやましいと感じたら、このお話をぜひ思い出してくださいね。

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