レバンガ北海道 折茂武彦(おりもたけひこ)《浅利陽介とコートの外で。》WEB EXTRA

コラム

 新シーズン開幕に先立つ9月30日。レバンガ北海道の折茂武彦選手が、今季限りでの引退を表明した。折茂選手は、現在49歳。昨シーズンは59試合に出場し、1試合平均の得点は6.4点。今年1月には、国内トップリーグ通算10000得点を達成した。選手として活躍するだけではなく、コートの外ではチームのオーナーとしてクラブの運営にもたずさわっている。まさに、超人。日本バスケットボール史に残るプレーヤーの一人だ。そんな彼に話を聞けたのは、8月下旬。インタビューの後半では、来年開催されるオリンピックについて、そして日本バスケットボール界の未来についても思いを語ってくれた。

 

 「八村君(NBAで活躍中、日本代表の八村塁選手)がインタビューで、今の日本代表が最強ですと言っていて、僕もその通りだなと思いました。でも、僕が代表の時も、俺たちは最強だと思ってやっていました。自分たちは最強だって思うことは大切だし、そう思えるメンバーと環境でプレーできることは幸せです。そうやって歴史は塗り替えられ、進化していく。だから、日本代表選手は、しっかりと責任を持って戦ってほしい。あまり大きな声では言えないけれど、僕は正直勝ち負けなんて、どっちでもいいと思っているんです。だってある意味、日本のバスケットの歴史なんて今始まったばっかりだから。僕らのときには世界に目を向けられなかった。せいぜい向けてもアジアくらい。その中でどう勝つか、日本国内でどう勝つかっていうことしか考えられなかった。でも今の選手たちは違うじゃないですか。みんな世界を見ている。だからそこ、今がスタートなんです。これからがもっともっと良くなるために、彼らが、オリンピックをしっかり盛り上げ、その熱を継続させていく。そしてまた次の世代につなげていく。この積み重ねが、日本のバスケットボールを強くしていくはずです。そうやって、いつかきっと世界と肩を並べて戦える日が来るのだと思います」

 

レバンガ北海道は昨シーズン、エリア最下位の6位。けれど今年は開幕から4連勝の好スタートを切った。折茂選手のフィナーレは、どんな伝説を残すのか。今シーズンはレバンガ北海道から目が離せない。

 

 

(プロフィール)

レバンガ北海道 折茂武彦(おりもたけひこ)

1970年5月14日生まれ。埼玉県出身。日本大学4年生のときにインカレ優勝。卒業後の1993年にトヨタ自動車へ入社。2007年にレラカムイ北海道へ移籍し、現在はレバンガ北海道の代表兼選手として活躍している。


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