photo: Kaori Nishida styling: Ayako Futami hair&make-up: Ayumi Takeshita text: Eri Watanabe(EATer) 

小芝風花《プロフェッショナルの肖像「PRO-FILE」》 


想像力をかき立ててくれるアートを

 ドイツ「ドレスデン国立古典絵画館」が誇る、オランダを代表する画家たちの名作約70点が展示される『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』が、東京都美術館で開催中だ。音声ガイドを務めるのは、女優・小芝風花。そのスタジオ録音に臨む前に、都内のある美術館へ足を運び、音声ガイドを聞きながら美術鑑賞をしてきたという。

 「美術館で実際に音声ガイドを利用してみると、アートについて知識がない私にもわかりやすく見どころを教えてくれて、楽しい発見がたくさんありました。これまでの難しいイメージが変わり、美術館ってこんなに面白い場所だったんだと思えました」

 テレビのナレーターのほか、ラジオのパーソナリティーを務めるなど、声で表現することも大好きだと話す。映像に合わせて話すナレーションとは違い、作品の解説をする音声ガイドは、聞く人によって作品の印象が変わってしまわぬよう、声のトーンを一定にするように努めたそうだ。

 「美術館で作品を見ていたとき、見方や感じ方って自由でいいんだと思えたら、とても居心地がよかったんです。それだけに、作品を見る人のイメージが変わってしまわないような声のトーンを意識しました」

 彼女が音声ガイドを務める本展示の中でもとくに注目したいのは、ヨハネス・フェルメールの《窓辺で手紙を読む女》。当初、窓辺で手紙を読む女の背後には白い壁が描かれていたが、修復によって“キューピッドが描かれた絵„が表れた。この作品の印象は、修復前とどう違ってくるのか興味深い。小芝は「手紙を読む女性の心情や手紙の内容など、キューピッドが想像力を膨らませてくれる素敵な作品」だと語る。

 アートに触れることでかき立てられる想像力は、女優としての成長にもつながる。ここでしか見られない作品とともに、女優として成長し続ける彼女が工夫を凝らした音声ガイドも楽しみたい。

 

こしば ふうか

1997年4月16日、大阪府生まれ。『息もできない夏』で役者デビュー。映画『魔女の宅急便』で第57回ブルーリボン賞・新人賞、第24回日本映画批評家大賞・新人女優賞を受賞。『彼女はキレイだった』(フジテレビ)で第109回ザテレビジョンドラマアカデミー賞・主演女優賞を受賞。NHK鹿児島放送局発地域ドラマ『この花咲くや』、『妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-』(テレビ朝日)の放送が控えている。


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ヨハネス・フェルメール 《窓 で手紙を む女》 修復後 1657-59 年
© Gemäldegalerie Alte Meister, Staatliche Kunstsammlungen Dresden, Photo by Wolfgang Kreische

『ドレスデン国立古典絵画館所蔵
フェルメールと17世紀オランダ絵画展』

会場:東京都美術館
会期:2月10日(木)〜4月3日(日)まで(月曜休室)
※2月14日(月)、3月21日(月・祝)は開室、22日(火)は休室
お問い合わせ:Tel. 050-5541-8600(ハローダイヤル)

衣装協力:Tory Burch


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