photo: Kaori Nishida styling: Masumi Miyazaki hair&make-up: Michiko Kashiwase text: Eri Watanabe (EATer)

中川翔子《プロフェッショナルの肖像「PRO-FILE」》 


自分だけの発見を、文章にする楽しさ

 しょこたんの愛称で知られる、歌手でタレントの中川翔子。彼女が毎年審査員を務める「約束(プロミス)エッセー大賞」の次期開催が迫っている。今年は、2019年に発売された、いじめに悩む人に向けた思いを綴った書籍が文庫化。最近はユーチューブでの活躍も目覚ましいが、「いまこの世界(芸能界)で生きているのは、文章を紡いできたから」と自ら振り返る。2004年に始めたブログが人気を博したが、中川にとっては、現在も”文章を書く”という行為が原点にあるようだ。

 「仕事柄、日常的に自分の思いを書き出していますが、いまだに気分やコンディションによって書けるとき書けないときがありますし、言葉を紡ぐって本当に難しいと思います…。それでも、『ゾーンに入ったな』と感じる瞬間が必ずくるんです。そうなると楽しくて夢中になって文章を書けます」

 一方で”活字に触れる”時間も「なくてはならない」という。限られた文字で綴られたエッセーに触れる審査は、中川にとってどんなものなのか。

 「自分の人生では味わえない誰かの貴重な体験を、文章を通して感じられる時間ですね。ものすごい量を一気に読むことになるため、自分との戦いにもなっていますが(笑)。一つひとつ、大切に読ませていただいています」

 昨年度、一昨年度と、2年続けて14歳が大賞を受賞したこのコンテストだが、過去には80代という受賞者も。年々応募総数が増え、多くの世代の「約束」が届けられる機会となっている。今年度の開催に向けて、読者にメッセージを。

 「『どうでもいい』と思うことって、すぐに忘れてしまいがち。けれど意外と、そういうところに大切な何かが隠れていたりするんですよね。自分だけの発見を、ぜひ一文字一文字紡いでみてください。書きながら『楽しいー!』と思えるゾーンに入ったら、読む側にもその思いが伝わるはず。皆さんの秀逸な約束を読めることを楽しみにしています」

 

なかがわ しょうこ

1985年生まれ、東京都出身。2002年に芸能界デビュー。歌手・タレント・声優・女優・イラストレーターなど、活動は多岐にわたり、多数のバラエティ番組にも出演中。2019年8月には書籍『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられている君はゼッタイ悪くない』を発売。2023年2月には、芸能界デビュー20周年を記念したベストアルバム『超!しょこたん☆べすと――(°∀°)――!!』をリリース予定。


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『「死ぬんじゃねーぞ!!」 いじめられている君はゼッタイ悪くない』

著:中川翔子
文藝春秋


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