森崎ウィン《プロフェッショナルの肖像「PRO-FILE」》　

2022.08.18 カルチャー, アート, コラム

僕の人生を変えるミュージカル

　2013年、本国アメリカでリバイバル版が上演され、2019年には日本語版・初演が話題を呼んだブロードウェイミュージカル『ピピン』が、この夏再演される。主役に抜擢されたのは、俳優の森崎ウィン。日本での初演を観客席で見ていたという森崎は、この作品に、誰よりも熱い思いを抱いていたようだ。

　「これほど心が躍動するミュージカルは、それまで見たことがありませんでした。再演で自分がピピンを演じるなんて、『まさか！』です（笑）。この作品のファンとして、キャストに加われる喜びを噛みしめながら、最後まで頑張りたいです」

　若き王子ピピン（森崎ウィン）は、なに不自由ない環境に疑問を抱き、旅に出る。リーディングプレイヤー（クリスタル・ケイ）率いるサーカス一座や、家族との争い、ロマンスなど、さまざまな出来事を通じて、人生の意義を見いだしていく…。

　初の単独主演となる本作に、森崎自身も「僕の人生を変えてくれるミュージカルになるはず」と期待を込める。初代『ピピン』の上演は、1970年代。このリバイバル版では、当時の楽曲はそのままに、新たに加わったクライマックスや、日本初演から変わらぬ豪華なキャストにも注目だ。

　「劇中の音楽を古く感じないのは、楽曲そのものが素晴らしいからこそ。歌と踊り、芝居が次々と披露される展開の速さも見どころです。演じる側の難易度は高いのですが（笑）、誰もがワクワクする舞台になるはず」

　気になる作品があると、プライベートでもミュージカルを見に行くという森崎。その魅力とは。

　「見終わったあとで『明日から頑張ろう』と思えるエンターテインメントは、僕にとって欠かせないもの。キャストのみならず、音楽や照明をはじめ、さまざまなスタッフとともにつくり上げていく舞台は、一日たりとも同じ上演はありません。ぜひ、僕のピピンを見にきてください！」

もりさきうぃん

1990年8月20日、ミャンマー・ヤンゴン生まれ。2008年、歌手・俳優としてデビュー。2016年には、スティーヴン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』でハリウッドデビューを果たす。2020年にMORISAKI WIN名義で、歌手としてメジャーデビュー。映像や舞台だけでなく、声優やラジオパーソナリティーなど多方面で活動をしている。