太古の世界を想像力で創造する
ティラノサウルスにプテラノドン、トリケラトプス…、かつて地球上に存在していた恐竜は、いまはもうその動く姿を見ることができない。残っているのは、化石などの痕跡だけだ。だからこそ、想像力は刺激され羽ばたく。化石に肉が付き、皮膚が被せられ、色がのる。研究者たちのイマジネーションは、絵として描かれ図鑑となって、今度は私たちを夢中にさせる。5月31日(水)から上野の森美術館で開催される特別展「恐竜図鑑ー失われた世界の想像/創造」は、そんな図鑑の絵の展覧会だ。展覧会ナビゲーターであり、音声ガイドを務める女優・南沙良も、子供のころから夢中になって図鑑を見ていたという。
「私は、子供のころから大きな生物が大好きだったんです。だから恐竜図鑑もよく読んでいて、もしこの絵のなかに自分がいたらどうなるんだろうって。そんなことを考えては、興奮していました(笑)」
展覧会では、世界各国から集められた約150点の作品が展示される。恐竜発見以前の幻獣から19世紀の奇妙な復元図、20世紀の躍動感あふれる作品、サブカルチャー、近年の研究に基づくパレオアートまで、人が古代生物に抱いてきたイメージの歴史が網羅されている。
「恐竜の展覧会なのに化石がないって珍しいですよね。でもたくさんの絵があって、解説と一緒に見ていくと、発見があると思います。時代によって、絵が進化していくのも面白い。恐竜に興味のない方も、きっと自分のお気に入りの絵が見つかるはずです。ちなみに、私がいちばん惹かれたのは、ジュラ紀の海棲爬虫類を描いたもの。海って未知の世界だから、さらに想像力が掻き立てられるんです」
失われた世界は、想像によって現代に創造される。そのクリエイティブな興奮を楽しもう。
みなみ さら
2002年6月11日、東京都生まれ。映画『幼な子われらに生まれ』(2017)で女優デビュー。初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(2018)で、報知映画賞、ブルーリボン賞ほか数々の映画賞を受賞し、その演技力が高く評価され、以降も多数のドラマや映画に出演。2023年3月31日公開の『ダンジョンズ&ドラゴンズ』では初の吹き替えに挑戦。
特別展『恐竜図鑑ー失われた世界の想像/創造』
会期:5月31日(水)〜7月22日(土)
開館時間:10時〜17時(土日祝は9時30分開場)
会場:上野の森美術館