photo: Kana Bundo styling: Shohei Kashima(W) hair & make-up: Kenji Toyota text: Shiori Sekine(EATer)

池田エライザ《プロフェッショナルの肖像「PRO-FILE」》 


政界の闇を暴く誘拐事件。そのとき母親は?

 現在公開中の映画『おまえの罪を自白しろ』。政治家一族の宇田家の次男・宇田晄司は、国会議員の父・宇田清治郎の秘書を務めていた。ある日、宇田家の長女・麻由美の娘である柚葉が何者かに誘拐される。犯人の要求は「明日午後5時までに記者会見を開き、宇田清治郎が政界で犯してきた罪を自白しろ」というものだった。愛娘を誘拐された悲しみや、権力に固執する父親への怒りに苦しむ麻由美。この難しい役どころを演じた池田エライザは、役づくりについてこう語る。

 「父親の娘である”子供”の自分と、柚葉の母親である“大人”の自分。この2つの面で考えるようにしていました。政治家の子供として周囲に気を使い、理不尽な思いをしてきたことに不満を抱きつつも、大人になるにつれて、父が政界で重責を担うために務めざるを得ない任務があることも理解した。そんな、子供であり大人でもある麻由美の置かれた立場に想像を巡らせながら演じていきました」

 池田は、柚葉が誘拐された日の夜を「暴れ馬に捕まっているような感覚だった」と振り返る。

 「親として不甲斐なく、誘拐されるのが自分だったらと麻由美は考えてしまう。けれど、もう時は戻らないのだから、あとはもう父親にすがるしかない。役に入り込むほどに、自分にはどうにもならない状況に慌てふためいていました。あの時の私にしかできない表情が映っていると思います」

 政界で多くの重責を背負いながら生きる政治家一族の物語でもある本作。いまこの作品を届けることについて、池田は次のように話してくれた。

 「宇田家の誰に共感するかは分かれると思います。政治への興味・関心にかかわらず、みなさんに刺さる作品に仕上がっているので、それぞれの感じ方の違いを楽しんでください。鑑賞後の余韻に浸る時間を十分に設けていただき、この作品と向き合っていただけたら、こんなにうれしいことはありません」

 緊迫の物語を、ぜひ劇場で見届けてほしい。

 

いけだ えらいざ

1996年4月16日、福岡県出身。2009年に「ニコラモデルオーディション」でグランプリを受賞し、モデルとして活動。2011年より映画『高校デビュー』で俳優としてのキャリアをスタートさせ、2019年には『夏、至るころ』で監督にも挑戦。オムニバス映画『MIRRORLIAR FILMS』の製作にも監督として参加し、9月より公開されている。そのほか、音楽活動などマルチな才能を発揮して活躍を続ける。


metro248_profile_1.jpg

© 2023『おまえの罪を自白しろ』製作委員会

「おまえの罪を自白しろ」

10月20日(金)より全国ロードショー
監督:水田伸生
脚本:久松真一
出演:中島健人、堤真一、池田エライザほか
配給:松竹


ワンピース 2万3100円(JOSE MOON/JOSE MOON Tel. 03-5770-9334)
ピアス 1万5400円(ripsalis/ロードス Tel. 03-6416-1995)
その他・スタイリスト私物


LATEST POSTS