photo: Toshiyuki Imae text: Satoko Myodo edit: Kohei Nishihara(EATer)

永野芽郁《プロフェッショナルの肖像「PRO-FILE」》 


色彩で叫ぶ

 ニューヨークを拠点に活躍するアーティスト松山智一の東京初となる大規模個展が、5月11日(日)まで麻布台ヒルズ ギャラリーで開催されている。音声ガイドとして、展覧会ナビゲーターを務めるのは女優・永野芽郁だ。

 「松山さんの作品の前に立つと、本当にたくさんの発見があるんです。そして、純粋に美しさに感動する。そんな体験をみなさんと一緒にできたら」

 初挑戦となる音声ガイドの収録を終え、「本当に緊張しました」と振り返る。これまでドラマや映画だけでなく、ナレーションやアフレコなど、声の仕事にも数多く携わってきたが、音声ガイドの仕事はまったく違っていたという。

 「松山さんの作品のこと、松山さん自身のことを、私の声でどう伝えられるのか、すごく悩みました。とくに意識したのは、声のバランスです。音声ガイドというと、作品を邪魔しないように淡々と読み上げるようなイメージがあったのですが、私の声の個性とどうマッチングさせるか試行錯誤の連続でした」

 その試みは同時に、松山の作品にどんどん引き込まれていく過程にもなった。

 「作品について自分の声で話しながら、松山さんの作品の世界に深く浸ることができる貴重な経験でした。鮮烈な色彩はもちろん、繊細な細部や、『どうしてここに?』と思うような、異なる文化が織りなす世界をじっくりと堪能した気分です」

 永野自身もアート好きの一人。国内外問わず、積極的に美術館に足を運ぶという。

 「美術館は、新しい感覚や視点を得られる大切な場所です。作家の人生や、作品に込められた感情に触れると、不思議な感動があります」

 来場者へのメッセージを求めると「松山さんの作品には、見る人の心を揺さぶるエネルギーがあります。どうか隅々まで楽しんでいただけたら」と、作品への愛着を込めた言葉が返ってきた。

 

ながの めい

1999年9月24日生まれ、東京都出身の女優。2018年にNHK連続テレビ小説「半分、⻘い。」でヒロインに抜擢され大きな反響を集める。近年の主な出演作品はドラマ『ユニコーンに乗って』(2022/TBS)、ドラマ『御手洗家、炎上する』(2023/Netflix)、『君が心をくれたから』(2024/フジテレビ)、映画『からかい上手の高木さん』(2024)など。2026年には大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK)に出演予定。


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松山智一展
『FIRST LAST 』

5月11日(日)まで麻布台ヒルズ ギャラリーにて開催中。


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