現在、世界中で流行中の「はしか」。実際は“子どもの病気”ではなく、大人も要注意。「命に関わる病気」でもある危険な感染症の対策を知ろう。
Q1.そもそも、「はしか」ってどんな病気?
はしかは正式な病名を「麻疹(ましん)」といい、「麻疹(ましん)ウイルス」によって起こる非常に感染力の強い感染症です。感染経路には、咳やくしゃみ、会話などで飛び散る、ウイルスを含んだ飛沫の吸い込みによる飛沫感染や、感染者との接触による接触感染のほか、マスクなどでは予防できない空気感染もあるのが特徴。体育館や講堂、電車内など、どんなに広い場所であっても、同じ空間にいるだけで感染してしまうほど、強力な感染力を持っているのです。
Q2.感染するとどうなるの?
38度前後の発熱、咳や鼻水、目の充血、目やになど、まずは風邪に似た症状が現れます。その3~4日後、一時的に熱が下がるのですが、またすぐに39~40度の高熱になり、症状も悪化。同じタイミングで口内に「コプリック斑」と呼ばれる麻疹(ましん)特有の白い斑点ができ、その後発疹が全身に広がっていきます。また、脳炎や肺炎などの合併症を患うことで、死に至るケースも。免疫力も格段に落ちるため、他の感染症を併発することもあり、命にかかわる重い病気なのです。
監修:多屋馨子 先生
国立感染症研究所感染症疫学センター
第三室 室長
医学博士