日本人の心に愛着や懐かしさ、そして背筋を伸ばす凛(りん)とした響きをもつ和菓子の老舗「とらや」。室町時代に京都で創業し、進化しながら伝統を守り続けてきたとらやの象徴ともいえる赤坂店が縁起が良いとされる「寅(とら)の日」の10月1日(月)にリニューアルオープンします。「おいしい和菓子を喜んで召し上がっていただく」という原点に回帰した新店舗の魅力を3回にわたって紹介します。
檜の香りが心地よいエントランスを抜け、緩やかな螺旋(らせん)状の階段を上る。2階の売り場にたどり着くと、大胆な「虎」の文字を刻んだ黒漆喰(しっくい)の壁を背景に、繊細な"仕事"を施したお菓子が並んでいました。リニューアルした赤坂店に足を踏み入れると、建築した内藤廣氏がテーマとした「簡素にして高雅」な空間を体感できます。

京都で創業したとらやは、後陽成天皇(1586~1611年)の在位中に御所の御用に就任。1869年の遷都に伴って東京に進出し、1895年から赤坂の地に製造所やお店を置いてきました。
象徴的な旧赤坂本店は、東京オリンピック開催の1964年に完工。高度成長期の世相を反映し、本社を併設した9階建ての威容を誇るビルとして誕生しました。