横浜ビー・コルセアーズの川村卓也選手は昨年8月、生まれ故郷の岩手県盛岡市にいた。東日本大震災の復興支援大会「SoftBank東北絆CUP」にBリーグ代表の一人として参加し、小中学・高校生を指導した。
「自分がいることで、岩手のバスケットボールが少なからず注目されたと思います。だから、その看板を背負ってキャリアを歩んできました」
岩手県で生まれ、仙台市などで学生時代を過ごし、日本人初の高卒のトップリーグ選手に駆け上がった。もともと東北への思いは強いが、震災後はバスケファンはもちろん、地元が生んだスター選手として応援する声を強く実感する。
「震災が起きてしまって自分に（力を）託してくれる声が増え、エネルギーをもらっています。岩手、東北のためにより頑張りたいと思いました」
大会でも被災地の力強さに、勇気付けられた場面があった。川村選手らプロのチームと中学生が対戦するミニゲームで、個々の実力差をチームではね返そうとする姿勢が印象的だった。
「子どもたちは震災を経験した分、結束力が強かったですね。岩手、東北を元気にする目的で行きましたが、彼らの姿勢にスポーツの魅力、結束力を学べる場所などを感じました。見ている人に伝わる”何か”があるプレーができれば、子どもにも良い影響を与えられると思っています」
© B-CORSAIRS/T.Osawa
横浜ビー・コルセアーズ 川村卓也（かわむら たくや）
2005年、19歳にしてプロ契約選手としてオーエスジーフェニックス（現・三遠ネオフェニックス）に入団し、新人王を獲得。リーグ屈指の勝負強さ、シュート力から「オフェンスマシーン」の異名を持つ。16年に横浜ビー・コルセアーズに移籍
from 岩手県
birthday 1986年4月26日
height 193cm
weight 92kg
