Text: Sayoko Kusaka Photos: Shigeo Kosaka Edit: Kohei Nishihara(EATer)

theme #10 フェムトークコミュニティはじまる!働くと健康をみんなで考えよう[フェムトーク]


女性のココロとカラダのケアを考え、よりよい未来につなげる「Fem Care Project」。本誌編集長・日下紗代子が、さまざまな人にお話を聞きながら、女性の健康課題や働き方について考えていきます。


 働く女性の“望まない”離職が問題になっている。たとえば、厚生労働省の調査では、不妊治療経験者のうち23 %の女性が仕事を両立できずに離職している(※)。PMSや更年期症状で退職、昇進辞退する女性も少なくない。経済産業省は、このような妊娠・出産や更年期、またライフイベントに起因する、働く女性の“望まない”離職を防ぐことを目的に、令和4年度「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」を募集し19事業を採択した。フェムケアプロジェクトも、さんぎょうい株式会社と共同で、誰もが匿名で自由に悩みやモヤモヤを吐露できる「フェムトークコミュニティ」の構築・運営で、採択を受けた。

産業医は会社の“ドクター”
意外と知らない産業医の役割

 そもそも産業医とは何か。正しく説明することは、なかなか難しい。しかし“公衆衛生”と聞くと少しはイメージがつくかもしれない。たとえば、従業員に感染症の疑いがあれば、本人の健康上の配慮の目的と周囲への感染を防ぐ目的で自宅待機(就業不可)を指示することもあると、さんぎょうい代表の芥川奈津子さんは言う。

 「産業医は、医師の資格はありますが診察や治療行為はしません。産業医の仕事は多岐に渡りますが主たる仕事は、『従業員が安全に健康に働ける状態にあるかどうか』の就業判断を行うことです。その判断の視点には、個人の働きたい意欲はもちろん、職場の環境、周囲のサポート、会社の方針などさまざまな要因を勘案して判断します。産業医には従業員個人の健康管理に寄り添う視点だけでなく、組織全体のパフォーマンスやコンプライアンス、集団衛生といった会社にとってのリスクを減らし、利益を守るという役割もあるからです」双方のバランスを保つ者として、産業医の役割は、以前より増していると芥川さんは話す。

 「産業医は会社の“ドクター”です。最近では、会社経営の軸として、健康経営など『人的資本』が最重要視されていて、産業医の存在感が増しています。私たちは会社の健康管理を行ううえで必要な土壌づくりのため、産業医の紹介のみならずコーディネーターによる伴走型体制構築や時世にあわせた研修なども行っております」

モヤモヤを言語化し 
社会課題として発信

 「フェムトークコミュニティ」では、ユーザーの投稿によって、働く女性に“潜む”健康上の悩みや課題を浮き彫りにし、産業医や産業保健の視点を交えながら解決の糸口を探っていく。また、そのプロセスを本誌や産経新聞などで発信し、個人の問題として捉えられがちな女性特有の健康課題が、社会課題として認知されることの機運醸成を狙う。

 「望まない離職を防ぐためには、健康上働き続けることが困難な理由を、従業員と会社側が“対話”を通して解決の糸口を見つけていく必要があります。その対話に産業医が中立的な立場で参加することで、建設的な“対話”が生まれます。現代の働く女性が抱える問題はとても複雑で多様です。ご自身の問題を、産業医や保健師などを”仲介者”として会社と共有することは解決の第一歩になります」

 コミュニティでは、自身のヘルスリテラシーを上げ、健康状態を知ることや、必要なアクションの後押しになることも目的としている。まずは、その悩みやモヤモヤする思い、また経験を言語化してみてほしい。あなたの声が、誰かの課題解決や助けにつながるかもしれない。

※厚生労働省 平成29年度「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」


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「フェムトークコミュニティ」は
年代・性別を問わず広く参加者を募集しています

産経新聞社がさんぎょういと共同でスタートさせた、働く女性のさまざまなココロとカラダの悩みについて、みんなで話して考えていくコミュニティ。8月4日にスタート。ひとりで我慢せずに“みんな”で共有できる場を目指す。ぜひ気軽に参加してほしい。

まずはこちらから↓
https://www.beach.jp/circleboard/af10345/topictitle


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さんぎょうい代表  
芥川奈津子

2005年に健診会社より独立し、さんぎょうい株式会社を起業、専務取締役就任。2018年一般社団法人産業保健協議会理事就任。2019年より現職。


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メトロポリターナ編集長
日下紗代子

10月からメトロポリターナ新編集長として就任。風邪を引かないのが強みだが、自身の身体のケアには少しウトイ自覚あり。

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Fem Care Project

「フェムケアプロジェクト」は、産経新聞社が主催する、女性の心と身体の「ケア」を考え、よりよい未来につなげるプロジェクト。女性特有の健康課題や働き方について情報発信をしながら考えていく。


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