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Session2 一生お金に困らない!ための〝体質改善〟[聞いてハッピー♥マネーサロン]


金融苦手系女子のための連載第2回。お金の計算、節約が苦手なひよ子ちゃんの悩みに、ファイナンシャル・プランナーのヨーコ先生(甲斐洋子)が答えます。

 

【前回までのおさらい】

老後は公的年金以外に2000万円の蓄えが必要だとする金融庁の報告書に落ち込んでしまったひよ子ちゃん。ヨーコ先生は「試算にとらわれず、自分の状況を知ったうえで、公的年金以外のお金を準備しておくことが大切よ」と諭します。とはいえ、ひよ子ちゃんには『自分の状況を知ること』がまず、難しいようです。

★ 老後にもらえるお金を知ろう

 

ひよ子  :ヨーコ先生、人によって老後に必要なお金が全然違うことはわかったし、ちょっとずつでも自分で『お金を育てる』意識作りが大事だってこともわかりました! ただ…自分に必要なお金がわからないと、なんかコツコツ続けられる気がしなくて。

ヨーコ先生:そうね。まずはひよ子ちゃんが老後にもらえるお金を確認しましょう。

ひよ子  :私はいま会社員だから、厚生年金ね。あと、学生時代に国民年金も納めていた気がする。

ヨーコ先生:そうね。年金は将来受取額が今より少なくなる可能性は高いけど、0になることはないでしょうから。ひよ子ちゃんは「ねんきん定期便」はちゃんと確認している?

ひよ子  :あッ…。こないだ何かそれらしいものが誕生日に来ていたような…。

ヨーコ先生:……。大丈夫よ。ひよ子ちゃんみたいな人のために、いまは「ねんきんネット」という便利なサービスがあるのよ。利用登録をすれば、インターネットを使って24時間いつでも最新の年金記録が確認できるわ。毎年のねんきん定期便の再確認はもちろん、これまでの年金加入履歴や保険料納付額、年金見込額まで見られるのよ。

ひよ子  :わ~お! 便利ですね!
ねんきんネット.jpgねんきんネットのトップページ


ヨーコ先生:今は専業主婦でも過去に会社員だった経験がある人は、厚生年金がもらえる可能性もあるわ。あとは、企業年金。企業が給付額を約束しているものもあるけど、ひよ子ちゃんの会社は確定拠出年金(DC)の制度はあるかしら。

ひよ子  :たしか2年前に加入しました!

ヨーコ先生:おめでとう! ひよ子ちゃんはすでに2年も前から老後に向けた積み立てを始めているということよ。企業型、個人型(iDeCo)、いずれも、確定拠出年金は、60歳になるまで拠出金が受け取れない代わりに、税制上の優遇措置が手厚いのよ。

ひよ子  :会社で働いていると、お給料から天引きされちゃうからあまり実感がないんですけど、所得税住民税って結構取られちゃいますよね。

ヨーコ先生:会社の制度によっても違うけど、たとえば選択制企業型DCの場合、前払い退職金を給与として受け取ると税金や社会保険料がかかるけど、掛け金として拠出すると全額所得控除の対象になるのよ。一般的な金融商品だと源泉分離課税(20.315%)が行われるけど、確定拠出年金の運用益は非課税だし、受け取り時にも税制優遇措置が受けられるわ。

ひよ子  :そんなにお得な制度だったのか…。

ヨーコ先生:もう老後の備えは始まっていると思うと、少し気が楽になるわよね。ただし、運用は自己責任。転職したり退職したりした場合は、転職先のDCに移したりiDeCoに切り替えたりする手続きが必要になるから注意が必要よ。

ひよ子  :結婚したり出産したり…たしかに生活が変わると仕事を変えなきゃいけないこともあるかもしれないのね。

ヨーコ先生:退職金も、勤続年数や会社の制度によって違うから、一度確認してみるといいわ。ただ、ライフスタイルの変化によって大きく変わるものだから、最初から当てにするよりは、『もらえば、必要額からマイナスできる』という感覚でいる方がいいかもしれないわね。

ひよ子  :あ、待って、ヨーコ先生。老後必要になるお金は、老後の生活費から今整理した、年金や退職金をさし引くんですよね。でも老後必要になるお金がまったくイメージできません。いくらあれば十分なのかしら。

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