金融苦手系女子のための連載第5回。お金の計算、節約が苦手なひよ子ちゃんの悩みに、ファイナンシャル・プランナーのヨーコ先生(甲斐洋子)が答えます。
両親が作った預金口座、学生時代に家賃支払いのために作った口座・・・。皆さんは長年放置している口座はありませんか? 「預金が国に没収されちゃう」と大慌てのひよ子ちゃんを「手続きをすれば払い戻せる」となだめるヨーコ先生。ひよ子ちゃんの早とちりだったようです。今回は、まだまだ誤解している人もいる「休眠預金等活用法」と、お金を管理するための「口座の使い分け」を勉強します。
★大丈夫? あなたの休眠預金
ヨーコ先生:まず、ひよ子ちゃんが誤解していた「休眠預金等活用法」について確認しましょう。よく調べないで慌てるのはいけない癖よ。
ひよ子 :はーい。反省します。
ヨーコ先生:普通預金だけでなく、定期預金なども含めて10年以上入出金などの動きがない預金のことを「休眠預金」というのだけど、実は日本中の銀行には、預金者と連絡が取れないまま眠っている口座のお金が年間700億円程度もあるのよ。
ひよ子 :な、700億円!? すごい大金ですね。
ヨーコ先生:そうでしょう。休眠預金等活用法は、このお金をNPO法人などの民間公益活動に活用して社会に役立てようという法律で、2018年に施行されたのよ。今年1月から対象口座の預金者への通知が各金融機関で始まっていて、預金者の所在が確認できない場合は預金保険機構に移管されることになっているの。今は分配先団体の選定作業中で、早ければ今月下旬ごろには決まって、今年度中に助成事業がスタートするのよ。3年間の活動に対して総額30億円助成されることになっているわ。
ひよ子 :国に没収されるんじゃなくて、NPOなどの活動に使われるんですね。「民間公益活動」ってどんな活動ですか?
ヨーコ先生:子供や若者、生活困難者への支援や地域活性化など、国や地方自治体の手の届きにくい課題を解決するための活動を行っている団体が助成対象よ。たとえば、子供の外遊びをサポートするプレーパークの運営、引きこもりの若者の就労支援、DV被害者の相談を受ける活動などが挙げられるわ。
ひよ子 :なるほど・・・。眠っていたお金が社会に役立つって面白いですね。
ヨーコ先生:そうね。まだ新しい制度だから、いろいろと課題もあるでしょうけど。
ひよ子 :あ、でも通知が来るならどうして預金者は連絡をしないんですか?
ヨーコ先生:1万円以上の預金に関しては、はがきやメールで通知されるけど、預金者が住所変更していなかったり、少額だったりして連絡が来ない場合もあるわ。それに、法律では2009年1月1日以降10年間取引がなかった口座が対象だから、それよりも前から取引がない古い口座は対象外なのよ。2009年に取引があって、何も通知が来ない場合は一度金融機関に確認した方がいいわ。ただ、休眠預金はあくまでも預金者のものだから、もし移管されてしまっても、金融機関で必要な手続きをすればいつでも払い戻すことができるから安心してちょうだい。もちろん利子も付くわ。

ひよ子 :なんだ~、良かった。じゃあ時間があるときに銀行に・・・。
ヨーコ先生:ちょっと待った。安心するのは早いわ。
ひよ子 :な、なんですか?
ヨーコ先生:最近大手メガバンクをはじめ、銀行が口座管理手数料の導入を検討しているのを知っているかしら? 実は、動きのない口座に対して「口座管理手数料」を設定している銀行もあるのよ。
ひよ子 :どういうことですか?
ヨーコ先生:たとえば、りそな銀行では、2004年4月1日以降に新規開設された普通預金口座に対して、原則として、年間1200円(税別)の「未利用口座管理手数料」を適用しているのよ。2年以上取り引きがない場合に事前通知、事前通知後も動きがない場合に手数料を引き落とすの。残高が手数料以下だった場合は最後の引き落としをもって解約ということになるわ。
ひよ子 :年間1200円・・・!!
ヨーコ先生:ローソン銀行も同様の手数料を設定しているわね。ほかに三井住友銀行では今年から、5年間入出金がない少額口座の取引を停止することにしているわ。金利がほぼ付かないご時世だからいちいち通帳記入する手間が惜しいのかもしれないけど、気がついたら口座が消滅してしまっている・・・なんてことになったら元も子もないわよね。銀行に預けっぱなしではなくて、自分のお金はきちんと管理しなくちゃ。
ひよ子 :口座がなくなっちゃうと、また新たに口座を開く手間も出てきてしまいますね。
ヨーコ先生:そうね。うまく活用できていない口座は解約して整理しましょう。最近はサービスに個性のあるネットバンクも増えているわ。口座に意味を持たせて銀行を使い分けることこそ「お金を育てる」道につながるわよ。
